第二話『まさかのご臨終案件』 ページ3
《ーーーいいですか、A。我が天宮神社に伝わる巫女が踊る舞は、七つの型があります。》
《舞は、動きがとても難しく、動きが激しくて体力も消耗する。その中で、舞を踊る際には息が切れない呼吸を使います》
《A、強くなりなさい。天宮神社の巫女として、舞を踊る者として》
《ーーーそして、どうか心の優しいヒトでいてーーー》
...これは、お母さんの声だろうか。不思議だ、お母さんの声は聞こえるのに、辺りは真っ白。
まるで、ふわふわした夢の中に立っているような気分。...ううん、夢じゃなくて、これは。
『...、え?』
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呆然と立つ私を見下ろすかのような、どこまでも上まで続く石段。向こうに、鳥居が見える。
私の両手側にそびえ立つのは...藤の花の木?たくさん石段を囲うように、どこまでも藤の花の木々が続いている。紫色の花弁が、私の頬の横で舞った。
空は...何故か、暗い。月が見えている。いつの間に夜になったの?
『...ここ、どこ?』
...え待って、マジでここどこ。やだなぁまた神社かよ。最近神社神社うるさくてもはやイライラしていたんですけど、私。怒ったかんな!!
そんな茶番は置いといて、ここは本当にどこなのだ。てゆーか私さっきまで何してたっけ?
えっと...確かお母さんに神社の小道の掃除頼まれて...それで...。
『...、あ』
私、天宮神社のご本殿に入っちゃったんじゃん!!間違えて!!てゆーか興味本位で!!
ご本殿というのは、神社のご神体が祀られている建物の事。そもそもそこは、宮司であるお父さんしか入っちゃダメな場所だったのだ。
うちのご神体は、刀って聞いてたから。それもだいぶ昔の...ひょっとしたら、何百年も前の。
刀なんて滅多に見られないし、その刀が見たくなって、ご本殿に忍び込んで...ご神体の箱を開けて、中身を覗いたら...あれ?それから私...どうしたんだっけ?
...ハッ!!まさか、ここ天国!?ご神体を見ちゃったから、何かこーゆー呪い!?え、待って...この年でご臨終なの私...!?
いや、そりゃ大切なご神体見ようとした私も悪いけど!!私一応巫女だし、何か巫女特典とか無いんですかご先祖様!!
使えねぇなご先祖様(失礼)!!
自分で考えて自分で納得して、私はガーンとその場に崩れ落ちた。
第三話『うれしいんだいきるよろこび』→←第一話『将来巫女とかいやや』
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みるく - 藻さん» いつも楽しみに......!?ありがとうございますっ、感謝感激です!!ですね、もしかしたらそうかも......(( でも無惨様がラーメン食べてるとこ想像したら...笑 (2020年5月1日 22時) (レス) id: e3ab556303 (このIDを非表示/違反報告)
藻(プロフ) - みるくさん» いつも更新楽しみにしてますよ!!下弦に探させたんですか………!!?ないのに……!?相変わらず人使い荒いですね…そんなとこも好きです、見つかんなかったから下弦解体しちゃったのか………? (2020年4月30日 21時) (レス) id: e085f6cc78 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - 藻さん» そうです無惨様は悪くない(作者)!!本当にいつも読んでくださってありがとうございます、後日無惨様はらーめんとやらを下弦達に探させたとか何とか......。 (2020年4月30日 20時) (レス) id: e3ab556303 (このIDを非表示/違反報告)
藻(プロフ) - ら、らーめんとはなんだ……!!!?…………そうか、大正時代にラーメンないですもんね!!無惨様は悪くない!! (2020年4月30日 20時) (レス) id: e085f6cc78 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - 藻さん» 分かってくださった方がいた(盛大なネタバレ)!!いや本当にありがとうございます、誰やねんこの人とか思われたらどうしようかと思ってました......。パワハラ会議ご本人様々じゃないですか...あかん......(下弦風)。 (2020年4月30日 19時) (レス) id: e3ab556303 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるく | 作成日時:2020年3月31日 13時