令和の巫女が、大正で剣士に転職する話。【鬼滅の刃】

第十話『役に立ちたいから』 ページ11

...頭の中で、お母さんの声が聞こえた。何故かは分からないけれど、なんだか...私の心にある余計な物が、取り払われていくような気分だった。

後は、もう無我夢中だったと思う。炭治郎を助けたくて、ただそれだけで。心や頭の中は、何も無いみたいに真っ白みたいだった。


あの舞が...鬼に通用するとは、びっくりだ。

...天宮神社って、何なんだろう...。



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『...、ん...』



小鳥のさえずりと、朝の光で目が覚めた。

周りは...たくさんの木々。枝や葉っぱの隙間から日光が差している。私は、どうやら大きな石の岩に寝ていたらしい。

何故か痛む体を何とか起こせば、体に掛けられていたのか水色の羽織がはらりと落ちた。

...あれ、私...あれから、どうしたんだっけ？



「....！？A！！」

『？あ、』



突然私の名が大声で呼ばれて、振り返れば刀を持った炭治郎。おはよーと笑いかければ、何故か炭治郎は...どんどん涙目になっていく。

...えぇ？何か雲行きが怪しくなってきたぞ？炭治郎、君を泣かせたのはどこの奴だ！！お母さんがその子の家に殴りにかかって



「うっ...起きたのかぁ、A...！！」

『え、待って泣かせたの私？？え(混乱)？？』



突然、炭治郎は私の元に走り寄ってきて、その途端炭治郎にぐぐっと抱き締められる。

いや...普通ギュッとじゃないの？？待って抱き締め方が普通じゃない、ゴリラか...ゴホッゴホッ、てか呼吸できない！！死ぬって私！！...あれ、私何回死ぬんだろうか。



『たたた炭治郎...！？』

「バカっ...Aのバカ、何であんな無茶したんだ...！！死ぬ所だったぞ...！！」

『あ、うんもうそれは直に私死にます』

「Aに何かあったら...俺は...俺はっ...！！」



炭治郎の胸にポッカリと顔が埋まる私。...心配させちゃったよね、と当たり前に思う。

炭治郎は、背負いすぎだよ。たまには私だって役に立ちたい。...立てない、かもしれないけど。



『...ごめんね、炭治郎。でも炭治郎だって無茶しすぎだよ。私だって...炭治郎の役に立ちたいから』

「.....」



炭治郎は、涙でぐしゃぐしゃになった顔を拭った後、彼は少し困ったような表情で私を見てから、諦めたように私の頭をわしゃりと撫でた。



『...あのさ、あれからどうなったんだっけ』

「や、やっぱり覚えていないのか！？Aはもう少し休め！！」

『ウソウソめっちゃ覚えてるよ』

「休め！！むん！！」

『むんとは』

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