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そしてぐっと掴まれ、ぐぐぐぐぐぐと大政ちゃんの方へ引かれた。
「いででででででで」
「A、何度言ったらわかんだ?廊下であんなことしたら駄目だろうが」
「大政ちゃん私の前だけ男口調になるのやめていででででででで」
やっと大政ちゃんに解放され、溜め息をつき肩を優しく擦ると、むっとした大政ちゃんに軽くチョップを食らわされた。全くたんこぶできたらどうしてくれるんだ大政ちゃん。好きだから許すけど。
「てか大政ちゃん、何をあの二人に伝えたの?」
未だに肩と頭を擦りながら大政ちゃんに聞く。
「あのこら、呼ばれてたんだよ、メイク室で。新田さん、広瀬さんって。さすがに私も名前と顔くらいは知ってて、時間あったから呼びに行こうとしたらお前に抱き付いてた」
「だから男口調はやめてよ大政ちゃん」
頬を膨らませて大政ちゃんを睨むと、「ごめんごめん」と頭を撫でられた。そうそう、大政ちゃんのこういう所が好きなんだよ。離れるけど突き放さない。そう思い大政ちゃんに頭を撫でられ続けていると、大政ちゃんは目を細めてくすりと笑った。
「大政ちゃん何笑ってーんの?」
「いや、これだからAは可愛がられるんだろうなって思ってさ」
「・・・・・・ん?」
「ゲンキンというか、素直というか、天然というか鈍感というか」
大政ちゃぁん・・・、と少し悲しくなってくる。
菅田くんも大変だなー、と大政ちゃんはけらけら笑う。確かによく言われる。Aちゃんは素直で優しいから、人に好かれんだねと。でもそんな自覚全くない。
「あと自由で、どっかふら〜って行っちゃうし」
「・・・む、もうそれ悪口だよ」
「海月みたいだよね、Aは」
綺麗で、儚くて、自由で、癒しの存在で、捕まえるのが大変で、つかみ所がなくて、と大政ちゃんは続ける。そんなとき、後ろからスタッフさんに声を掛けられる。今日は後ろから声を掛けられるのが多いな、そう思った。大政ちゃんに最後、別れのハグをして引かれて、手を振ってスタッフさんに従った。
「Aは年上の前では急に子供っぽくなるな」
「んが?」
そして、後にカフェで大政ちゃんにそう言われた。
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りさ(プロフ) - こんにちは!今までずっと年下くん読ませていただいておりました。とても面白く終わってしまったこととても悲しく思っておりました。もし書きたいと思っているのでしたら是非また読みたいので書いていただけたら嬉しいです!よろしくお願い致します! (2019年7月7日 12時) (レス) id: ddfe10d63a (このIDを非表示/違反報告)
めんくい(プロフ) - あんず飴さん» すみません、出来ませんでした…もうひとつの方で書かせていただきますのでよければチェックを!申し訳ありませんでした! (2019年6月26日 20時) (レス) id: 8a4179a131 (このIDを非表示/違反報告)
あんず飴 - 桃李くんから「一緒に寝る?」と言われる話を変えて欲しいです!甘めでお願いします!! (2019年6月6日 23時) (レス) id: e9a1259486 (このIDを非表示/違反報告)
めんくい(プロフ) - 里さん» 菅田さんメインの小説なのに、申し訳ありません!了解しました!ありがとうございます! (2019年5月18日 18時) (レス) id: 8a4179a131 (このIDを非表示/違反報告)
里 - 菅田くんとの絡みのお話欲しいです (2019年5月18日 6時) (レス) id: 6d0e2de31d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めんくい | 作成日時:2019年3月18日 17時