【銀魂】桜なんて可愛いモンじゃねェ

第六十四訓 ページ15

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なんとか小太郎と晋助を見つけた。目の前で未だに意識を失っている
目立った外傷はやっぱり無くて、多分背後からの1発でノックアウトされたんだろう

ここに転がしておくのもダメだ


そう思って、着物の袖を引きちぎって両手の血を拭う
誰のかもわからない血を付けられるのは嫌だろうし、という妙な気遣い

いや、私が…もう誰も汚したくなかった


一通り血を拭ってから2人を軽々と小脇に抱えて持つ

2人とも腕と足がぶらぁん、と垂れているので引きづらないように持ち上げ
フラフラの足を頭で激励しつつ、どうにか銀時の隣に転がす。


そこで限界が来てドシャッと砂利の上に尻もちを着く形で座り込む。

苦々しい顔で意識を失ったまま眠る3人を見たらなんか、なんか…泣きそうになった。


ここにきて、やっと涙腺が仕事をした



「…っう、ぁ……」




声が出てこない、ただボロボロと涙が零れてきた。
だって、なにを言えばいい？なんと泣き言を漏らせばいい？


「〜〜っ…ご、めん…」



やっぱ、これしか言葉が思い浮かばなかった。


出来たのに、私はまだ可能性が残されてたのに
その可能性をものに出来なかった。

今更ベソかいてどうするってんだろうね。
でも、たまには…ベソかいて大泣きしてやりたくなるよ。



「はっ…、男女(おとこおんな)がベソかいてやがらァ…」


「！？」



グシグシと目元を荒々しく擦っていて前がよく見えてなかった時
しゃがみこんだ、その目の前で聞こえてきたのは


「晋す、けぇ…」


ぐっちゃぐちゃの顔で、いつもなら絶対馬鹿にされるのが分かってて
絶対、絶対に泣き顔なんて見せない…
つーか一生見せる気なんて無かったのに、お構い無しに流れてくる大粒の涙。


高「あーあ、ブッサイクな顔だな。」



ムカつく言い方

「いっつつ…」とか言いながら体を起こして私の方に立て膝で寄ってきたと思えば
せっかく、私が服に血とか付かないように気をつけたのに着物の袖口で私の顔を強めに擦る。

顔は跳ね返った血で汚い、涙も土埃が混ざって汚い


行為も、見た目も汚いのに。
普段なら絶対しない優しい行動に涙を止めようと頑張っても一向に止まる気配がない。


「ごめん、ごめんﾞ…。ごめﾞん、なﾞさﾞ…」

高「…お前は悪くないだろ」

「だって、私だけだったのに…！！私には可能性があったのに…！」





何が三大傭兵武族、夜兎だ。

何が桜の一族だ。



血だけがハイブリッドで何も出来なきゃ意味が無いじゃないか。

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