【銀魂】桜なんて可愛いモンじゃねェ

第六十一訓 ページ12

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持ってみるとそこそこの重量感

鎌の部分は刃渡りが約１０寸(=３０cm)くらいで持ち手はそれと同じくらい
なかなか重さがあるので下の方を持つと落としそう、なので中間あたりを握っている。

形状を久々に確認するとやっぱりゲームで言うところのメイン武器にするのは難しそう


とか考えていたら先程の御徒衆がもう一度武器を振り上げる
私もそれに気付くと振り下ろされる錫杖のような武器を鎌の部分で振り払う

夜兎の混血ということもあり扱えなくは無いけど少し鎌の重さで重心がブレる
振り払う、つまりは遠心力がかかるから尚更だ。


あー、もう少し軽ければなぁ…


確かに脳内でそんなことぼやいた

次の瞬間


「…？」


確かに、かかっていた重力…
いや、本体そのものの重さ、負荷が減った。

持ってるものは確かに鉄剤でできた鎖鎌、でも持った感覚は
プラスチック…とまでは言わないが重い鉄で作られた武器とは思えない



“桜ノ一族、鋼鉄ヨリ生マレシ武具を生物の如ク扱イケリ”



どっかで自分を知ろうと、先生の持っていた本から桜の一族について見つけた一説

おいおい、生き物でも重力変化とか突発的になんかしない
みんな頑張ってダイエットして減るもんだ。主に人間の女性がな。

しかも変化のさせ方がSFじゃん
脳内で思ったら言うこと聞くってなんなんだ。


あー、自分の武器のはずなのに着いていけないわー


とりあえずこの重さなら、



追撃しようと錫杖の武器を振るった御徒衆、その一撃も軽々と避けて背後をとる

軽くジャンプし、その首を見据えると鎌を横に一線引くように払う
そのままその背中を前に蹴り出すと御徒衆はグラりと倒れ地面に伏した


着物が汚れるのを考慮して比較的綺麗な殺り方を選んだつもり
お粗末な噴水の様な血しぶきはなく、そいつの首からはドクドクと流れる血が小さな池を作る

強いて言うなら横に一線引く時、少しだけ血が飛沫…頬に飛んだ


きったね。



仲間がやられたことを受けてか他の奴が4、5人同時に仕掛けてくる。


あー、わらわらと鬱陶しい。


そう思いながら、確実に私の口は弧を描いていることを自覚していた。





…ものの５分としないで私は4、5人どころかその場の御徒衆を皆殺しにしていた


でも、それらを捌いているうちに先生の背中はどこにも見つからなかった
冷静になればわかったはずの時間稼ぎに易々と乗ってしまっていたのだ



ポタポタと頬を伝うのは跳ねた敵の血か、はたまた別の何かか分からなかった

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