十八話 ページ19
凄い勢いで僕を迎えに来てくれた長谷部に事情を説明すると、僕をおぶってくれ、部屋まで連れて行ってくれた。
「白い着物ですか････」
「名前聞いてないから、誰か分かんなかったけど。怪我は治ったみたいだし、良かったよ」
「多分、その刀剣の名は鶴丸国永かと思われます。 アイツも随分、前任に酷い仕打ちを受けていたので。」
「確かにイケメンだったもんね。夜伽だっけ？長谷部も？」
「いえ、俺は主の仕事をずっとやっていたので。三日月や鶴丸、他にも容姿が優れた者は多くおりますので、」
「そっか。」
前任は男だったと聞いたけど、ゲイだったのだろうか。
男同士の恋愛にとやかく言える自分では無いけれど、相手に無理やりは良くないな。
って言っても、それについては男女関係ないか。
「主」
「ん？なに？」
「主がもし、相手をお求めなのであれば。 俺が相手をします」
「は？ ･･･なんの冗談･･･」
笑いながら顔を上げ、長谷部を見ると。
凄く真剣な顔で僕を見て、僕の回答を待っている。
え？
これって冗談じゃない？
「えっと････冗談だよね？長谷部」
「いいえ。私は本気です」
別に僕はそんな相手を募集していないし、発散したいなら本丸の外でやる。
刀剣、、、
ましてや、神様に手を出すなんて。
「長谷部。」
「はい」
「自分を身代わりにして仲間を守ろうっていう精神は良いと思うよ。 僕にはそこまでして守りたいって思う人とかいないからさ」
「･････」
「だけど、僕は夜伽の相手を君達にさせる気は無いし、発散したいなら可愛い女の子にお願いするよ！」
べしべしと長谷部の肩を叩きながらそう言うけれど、何故かこの張り詰めた空気が和まない。
この緊張感はなんだろう。
「長谷部････？」
「主。 私は身代わりなどで志願している訳ではありません。」
「え？」
「貴方なら良いと思ったから、申しているのです」
･･････。
僕の耳がおかしいのだろうか？
此処に来て色々あったから疲れているのかな？
あ、そうか。
きっとそうだ。
「長谷部も冗談が言えるんだな！驚いたぞ！」
「三日月に貴方を取られるのが嫌なんです。 俺では満足頂けませんか、主」
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