医師の見解 ページ9
Aは珠世の衝撃の発言に、無意識に目を見開いていた。
「二百年以上かかって鬼にできたのは愈史郎ただ一人ですから!?珠世さんは何歳ですか!?」
炭治郎が珠世の言葉をおうむ返しして、とにかく驚く。
すると案の定、愈史郎は炭治郎を凄い勢いで殴った。
「女性に歳を聞くな、無礼者!!」
その女性というのは珠世限定なんだろうなぁ、なんて思いながら、ゲホゲホ咳き込む炭治郎を心配そうに見つめるA。
「愈史郎!次にその子を殴ったら、許しませんよ!」
「はい!!」
珠世のお叱りに、愈史郎が大声で返事をする。
「一つ……誤解しないでほしいのですが、私は鬼を増やそうとはしていません。不治の病や怪我などを負って余命
珠世ははっきりとした口調で話している。
炭治郎がAに耳打ちをした。
「珠世さんからは、偽りのない清らかな匂いがする……信じても、大丈夫そうだ」
Aは返事をする代わりに、こくりと一回頷いた。
炭治郎はその様子を見てから、尋ねた。
「珠世さん……鬼になってしまった人を、人に戻す方法はありますか?」
Aは禰豆子に視線を向けた。
もしも、今鬼となって人を襲っている鬼達が人間に戻れたなら。
もしそうなれば、どんなに良いだろう。
勿論、失った家族が戻って来るわけではない。
それでも、これから鬼のせいで“幸せ”を失う人はいなくなる。
「鬼を人に戻す方法は……あります」
珠世の答えに、思わず炭治郎が前のめる。
「!?教えてくださっ……」
だが、やはり愈史郎に突き飛ばされてしまった。
「寄ろうとするな、珠世様に!!」
「炭治郎!」
Aが慌てて炭治郎を起き上がらせる。
「……愈史郎」
珠世の怒りの圧力にも愈史郎は怯まず言い訳をする。
「投げたのです、珠世様。殴ってません」
「どちらも駄目です」
珠世はぴしゃりと言ってから続けた。
「どんな傷にも病にも、必ず薬や治療法があるのです。ただ……今の時点では、鬼を人に戻すことはできない」
「…………」
炭治郎とAは、悲しそうに眉を下げた。
318人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヒメアミ(プロフ) - 月の舞さん» お待たせしました!応援ありがとうございます、これからも頑張ります!! (2021年8月19日 21時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
月の舞 - ヒメアミさん» 更新待ってました!これからも頑張ってください、応援してます! (2021年8月19日 20時) (レス) id: e23982275e (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - ちょこぱふぇ♪さん» コメントありがとうございます! 褒め上手すぎませんか!?とっても嬉しいです……!!読みやすいと言っていただき安心しました!応援ありがとうございます、楽しんでいただけるよう引き続き頑張ります!! (2021年8月6日 12時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
ちょこぱふぇ♪(プロフ) - 初コメ失礼します!とても読みやすくて内容がスッと入ってきました!こんな小説初めてです!とても応援してます!主さんのペースで頑張って下さい!!!次のお話も楽しみにしてます! (2021年8月6日 1時) (レス) id: 92821f8356 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - 黒魔霊歌さん» 初めまして!本当ですか!?読み返していただきありがとうございます……!楽しんでいただけて良かったです! イラスト可愛いですよね!応援とても嬉しいです!更新頑張りますね! (2021年8月5日 22時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ヒメアミ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HIMEHP/
作成日時:2021年1月21日 21時