お前が ページ3
Aが察し取った
今まで通常の鬼に感じたものの何倍も、嫌な感じがする。間違いなく人間ではない。
(もしかして、もしかして……まさか、鬼舞辻無惨！？)
こんな街中に、鬼の始祖なんているわけが無い。
頭ではそう思っているものの、直感の方はやはり『そう』としか感じられなかった。
勘が指し示す方向に、全速力で走る。
二人は羽織を翻しながら、夜の街を走った。
人混みをかき分け、かき分け、本当に鬼舞辻無惨がここにいるのか確かめる為、必死で前に進む。
(近付いてる──気がする！)
その時、炭治郎が帽子を被った男の肩をガッと掴んだ。
男はこちらを振り返ると、人間とは思えないような目で鋭い視線を向けてきた。
その男の顔を見た瞬間、Aはすぐに先程までの勘が合っていた事を悟った。
(間違いない！！こいつが──こいつが、鬼舞辻無惨！！)
激しい憎しみの表情で無惨を睨みながら、Aは反射的に刀に手をかけていた。
街中だろうが関係ない。仇がすぐ目の前にいるのだ。
スゥウウウ……と呼吸音を響かせるが、Aはふと動きを止めた。
「おとうさん、この人達だぁれ？」
無惨は、女の子を抱き抱えていたのだ。
(女の子……！？何で人間の女の子を……！？)
「私に何か、用ですか？随分慌てていらっしゃるようですが……」
無惨は、落ち着いた様子で話している。
人間を演じているのだ。鬼狩りにばれないように。
「あら、どうしたの？」
「おかあさん！」
女の人がやって来た。やはりこちらも人間だ。
「お知り合い？」
「いいや、困った事に少しも──……知らない子達ですね」
何食わぬ顔で応答する無惨。
Aは再び刀に手をかけた。
間違いなく本物の家族ではない。そして、目の前の男は間違いなく鬼舞辻無惨だ。
「人違いではないでしょうか」
「まぁ、そうなの？」
その時だった。
無惨が素早く何かをして──無惨の後ろの男性の首から、ブシッと血飛沫が上がった。
「うぐっ……」
男性はうめき声を上げて、隣を歩いていた女性に頭をもたれかからせる。
「あなた、どうしました？」
男性が顔を上げる。
その顔は、血管が浮かび上がり目は血走り、口からは涎が溢れ出ているという、人喰い鬼そのものの顔に変わってしまっていた。
「！！」
Aは、やよいに聞いた話を思い出していた。
鬼の血によって、人間は鬼に変わってしまうのだ。
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ヒメアミ(プロフ) - 月の舞さん» お待たせしました！応援ありがとうございます、これからも頑張ります！！ (2021年8月19日 21時) (
レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
月の舞 - ヒメアミさん» 更新待ってました！これからも頑張ってください、応援してます！ (2021年8月19日 20時) (レス) id: e23982275e (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - ちょこぱふぇ♪さん» コメントありがとうございます！ 褒め上手すぎませんか！？とっても嬉しいです……！！読みやすいと言っていただき安心しました！応援ありがとうございます、楽しんでいただけるよう引き続き頑張ります！！ (2021年8月6日 12時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
ちょこぱふぇ♪(プロフ) - 初コメ失礼します！とても読みやすくて内容がスッと入ってきました！こんな小説初めてです！とても応援してます！主さんのペースで頑張って下さい！！！次のお話も楽しみにしてます！ (2021年8月6日 1時) (レス) id: 92821f8356 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメアミ(プロフ) - 黒魔霊歌さん» 初めまして！本当ですか！？読み返していただきありがとうございます……！楽しんでいただけて良かったです！ イラスト可愛いですよね！応援とても嬉しいです！更新頑張りますね！ (2021年8月5日 22時) (レス) id: 773d896b8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒメアミ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HIMEHP/
作成日時：2021年1月21日 21時
