新サバイバーシ願者【第五人格】 (ページ8)

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6話ページ8

？｢だ、誰だお前は！｣

一番に声を上げたのは扉の近くの椅子に座っていたキャスケット帽の男性。

その近くに立っていた麦わら帽子の女性は驚きつつもペコッとお辞儀をしたので
それにつられてイライさんもお辞儀をした。

流石に突っ立ったままは失礼だと思い、慌てて私もイライさんの後ろからちゃんと顔を出し会釈をした。

顔を上げると、丁度麦わら帽子の女性と目が合う。
すると女性はパッと表情を明るくし、
｢わあ！女の子もいるなの～！！｣と嬉しそうに声を上げた。

少し奥に座っていて敵意剥き出しの視線を向けてきた
緑色のフードを被る男性は｢また怪しいのが増えたと思ったら後ろにもう一人いたのかよ…
なんなんだよ今夜は…！｣と呆れてる様子。

？｢驚きが多い夜だな、ナワーブ。｣

更に奥の方に立っている顔の左側にケロイドを負った男性の発言からすると緑色のフードの男性はナワーブというらしい。

イライ｢少し話を聞かせてもらっていました。
盗み聞きだとか覗きの趣味があるわけではないのてすが、どうにも出ていくタイミングを逃してしまいまして…

とにかく、怪しいものではありません。｣

ケロイドの男性｢…か、どうかは話を聞いてから判断させてくれ。｣

ナワーブ｢だな、とにかくお前もまず、名前を名乗れ。｣

そう言ってナワーブさんがこちらに近づくが、

イライ｢お、君達も新人かなぁ。私達とお仲間ですね。｣

どこかマイペースなイライさんはもう一人の新人さんの方へ足を進めたので、戸惑いつつ私もそのまま後ろについていく。

恐らく私と歳が近いであろうメガネをかけた新人さんが嬉しそうにイライさんと握手を交した後

その人は自身を｢ボーイ｣と名乗った。

ボーイさんはニコニコしながらそのままこちらにも手を差し出してきたので、私も握手を交わした。

ボーイ｢とても仲が良いように見えますが、お二人は兄妹ですか！？｣

｢…へ！？｣

ボーイさんの発言に思わず声を上げる。

でも、よくよく考えてみれば何も知らない人から見たらこの距離感はそう見えてもおかしくはない気が…してきた……。

イライ｢いいや、残念ながら兄妹ではないよ。
この館に来る途中に森で偶然出会ったんだ。
こんなに懐いてくれる妹がいたらいいなとは思うけれどね。｣

そう言って微笑むイライさんの姿が

一瞬、死んだ兄と重なってみえた。

＿＿…『Aはずっと変わらず俺に懐いてくれて、
ほんと兄ちゃん嬉しいわ』

不思議だ

声も姿も、喋り方だって違うのに。