2話 ページ4
イライ｢館までの道は任せて、僕は人よりちょっと視えるんだ。｣
と言って招待状に入っているわかりずらい地図も見ずに進むイライさんと館を目指して歩き始めて
約数分が経過した。
私はずっとイライさんの肩に大人しくとまっている可愛いフクロウが気になりすぎて、
耐えられなくなった私はとうとう聞いてしまった。
｢イライさん。
その…肩にいるフクロウ
とても懐いてますよね、いつも一緒なんですか？｣
イライ｢あぁ、この子は大切な僕の相棒だよ。
君の言う通りいつも一緒にいるんだ。｣
イライさんがフクロウを指で優しく撫でると、
とても心地良さそうにしていた。
可愛い、可愛すぎる…私も撫でてみたい………。
そんな私の視線に気づいたのか、
イライさんは｢触ってみるかい？｣と聞いてきた。
｢え！？触っても、大丈夫なんですか？｣
イライ｢大丈夫だよ。
この子も君の姿を見てから一度も威嚇していないし、警戒もしていないみたいだから。｣
私なんかが触れていのだろうかとも思うが、躊躇より触れたい欲が圧勝したので
｢失礼します……！｣と、恐る恐る指を伸ばし、
｢頭から毛並みに沿う感じでね。｣とイライさんに言われた通りに頭から毛並みに沿うように優しく撫でてみる。
｢ふわふわ……！｣
見た目からしてふわふわしてるんだろうな〜とは思ってたけど、その想像を超えるふわふわだった。
何度か撫でると、フクロウは気持ちよさそうに目を瞑った、ほんとに可愛い。
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荘園という場所を目指して森の中を歩いていたら
どこか普通の人とは違う不思議な雰囲気を漂わせる女性と出会った。
まさかこんな森の奥で人と出会うと思っていなかったが、
彼女も全く同じ招待状を受けてこの森へと足を運んで来たらしい。
行き先が同じなら、とお互い自己紹介をしたら
彼女は自身をA・リコリスと名乗った。
職業は特に言っていなかったが、この子はきっと社会人という訳ではなく、学生なんだろう。
歳の割には少し大人びているなと思っていたが、
彼女が相棒のフクロウを撫でた時は、目をキラキラさせていて年相応の可愛らしい反応をしていた。
にしても、まだ学生の彼女にまで招待状が来ているのは驚きだな。
この招待状の差出人の目的は、
招待状を送る人間の条件は、一体何なんだろうか。
そして、荘園では一体何が待ち受けているのだろうか。
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作者名：紀 | 作成日時：2022年1月15日 22時
