星と太陽が重なった時には【イナズマイレブンオリオンの刻印】【合作】 (ページ3)

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02.使命のためにページ3

日本代表監督に就任した趙金雲がステージ上に立ち自身のそばにある赤いボタンを押した。大きな体格の彼を睨みつける様に見つめた水無月。紅く輝き鋭い目つきは趙金雲に恨みや怒り、何かしらの感情を持っている様だった。

会場の者達がモニターに注目した。大画面のモニターに映し出されたのは真っ黒な影の様なシルエット。恐らくシルエットの者達が日本代表、イナズマジャパンのメンバーなのだろう。

しかし、分かるのは体格のみで明確には誰が居てどのポジションかはわからない。重要なキャプテンも、だ。
その疑問もすぐに分かった。シルエットが映し出された後はフォワードから順に紹介されていった。一人一人、名前が呼ばれ背景にはFFの活躍シーンなどが映し出されていた。

しかし、FFに出場してない3名(・・)はどうなるのか、との疑問点がある筈だろう。その3名はFF以外の試合のシーンが映し出された。

ゴールキーパーまで流れ、一通り終わった所でざわつきが収まる事はない会場にぽつりと漏れた小さな声。

「あれが…一星充か。」

キャプテンはどうやら円堂守の様だ。FFでは見たことない者達がいた。一星充と水無月時雨と星田欠だ。彼らがFFには出ていなかった“3名”である。
一星と水無月はミッドフィルダー、星田はDFの様だ。
隣同士に座っていた水無月と星田は顔を合わせると喜ぶ様な表情は見せなかった。

「…何とか、良かったね。分かってるわよね？欠。使命を果たす為には手段は選ばない。そして、」

「あぁ、後はオリオンを裏切らない、だろう？」

星田は水無月の言葉を遮る様に言う。特に不満そうな様子を見せずに頷いた水無月。ふっと冷たく少し嘲笑う様な笑みを零せば

「勿論。一応あんたに言っておくけど裏切らないでよね。星田欠。」

とわざとらしく煽る様な口調で言う。星田は溜息を吐き呆れた様に

「分かってるって。時雨も、だ。」

と最後ににやりと怪しく企む様な笑みを浮かべると人の事言えないからな、というように彼女にそう返した。

そして、イナズマジャパンの選手達はユニホームに着替える為に更衣室に行き会場を後にした。