星と太陽が重なった時には【イナズマイレブンオリオンの刻印】【合作】 (ページ18)

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17．憎しみを込めてページ18

理解、納得したものも水無月には怒りや憎しみが消えること無く溜まっていった。その怒りを手に込めてぎゅうと拳を作り握り締めた。

「…絶対潰す、勝たせるわけにはいけない…！」

その声は怒りに震えていてそして身体も震えていた…。許せない、という怒りは顔にも現れてきて目がギラギラと燃えていた。

肩を揺らし荒れる息を整えようとしている。怒りと憎しみのせいで呼吸が乱れてきている。

けほっと咳をこぼすと膝を抑えキッと点数が映し出されたモニターを睨みつけた。

このままでは勝ってしまう。そんな不安にもっと押し潰されそうになって只々早く試合が終わる事を願うことだった。

するとぴぃーと試合終了の笛の音が鳴る。安堵の気持ちによって不安は少しだけ薄れた。

しかし呼吸はまだ荒れていて全然動いていないのに対し尋常でない汗が流れ続けた。

心配そうな顔で稲森が、震え息が荒れている水無月に近づき手を差し出した。

「大丈夫か？水無月！」

「(…っ、うるさい！アンタに何がわかるのよ…！)」

思わず口に出してしまいそうになりながらも怒りを隠して貼り付けた様な笑みを浮かべる。心の中とは裏腹にやさしい笑顔と声色で

「…っ、大丈夫よ、ありがとう。稲森君。もう歩けるから…」

と彼に感謝の言葉を述べた。彼女は立ち上がり少しよろつきながらも更衣室にまっすぐに向かった。

「時雨…大丈夫だろうか。お前はオリオンの闇に気づける？」

自分のせい…それは分かっていた。だからこそ彼は心配してしまいそして彼女が闇に気づき改心できる様願ってしまったのだ。