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15．たとえ仲間だろうと ページ16
「(チッ、何故二人が…？私が見た限りでは鬼道にバレる様な事はしていなかった。
しくじったな…！アイツら。私は違う__！絶対使命を果たす！失敗なんて…！)」
キッ、と鋭い目つきで険しい顔でフィールドにいる彼らを睨み付けた水無月。
彼女の脳内に映ったのは自分と良く似た少年だった。
地面に身体を這わせ傷だらけの身体で哀しそうな顔で何かを見つめている。それはフィールド上にいる二人の苦しむ様子と重ねられていた__
水無月の怒りは鬼道達だけではなかった。
失敗し、簡単にバレてしまった彼らにも怒りを募らせていくばかりだ。そして不安も…
「大丈夫かな、星田くん…」
少しずつ可笑しくなっていく星田に心配したかの様な言葉を口にした。
しかしそれは“仲間としての心配”では無い。
彼女にその様に心配する、という気持ちはなかった。仲間といっても確実に信じたわけではないのだから。
少しずつ変化していった彼、直ぐにバレてしまい逆にラフプレーを受けている二人がまたもや失敗してしまうのかもしれない。
それが彼女の心配、不安だった…
「大丈夫か、星田、一星！」
全く状況をつかめていなくて鬼道達の意図も分かっていない稲森が星田と一星の方に向かい手を差し出すと立つのを手伝っていた。
二人は“嘘を吐いて”大丈夫だと告げ彼に感謝の言葉を述べた。しかし彼らの瞳は怒りに燃えていた。
許さない。そんな純粋な怒りは二人を支配していた。募っていく怒りと狂ってくる精神状態__星田は精神的にも肉体的にもボロボロで傷だらけだった…
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