298歩目 ページ10
「…ぁ？」
目が覚めると、島の診療所のベッドの上だった。どうやら、あのまま寝てしまったらしい。
「消える？」
不意にナミの声が耳に入った。どうやら隣のベッドにいるらしい。
「完全には無理じゃな。傷は多少残る。刺青っちゅうのはそういうもんじゃ」
「…うん。一生消せないのにね…」
カーテンで仕切られた向こう側で、ナミのどこか悲しそうな声が聞こえた。
「ねえドクター、彫って欲しい刺青があるんだけど」
「んん？」
「これっ！」
そう言うナミの声は明るかった。
(ナミは、大丈夫だ)
ふっと笑って、私はまた目を閉じた。
久しぶりの平和に沸き立つ島も少しずつ、かつての平穏に戻りつつあった。私達もここに長くとどまる理由はない。祭りの最終日に合わせ、私達は出航することに決めた。
そして、今日、私達はこの島を出る。
「あっしらはまた本業の賞金稼ぎに戻りやす。兄貴達にゃいろいろお世話になりやした」
「ここでお別れっすけど、またどっかで会える日を楽しみにしてるっす」
ジョニーとヨサクがそう言って深く頭を下げた。２人は海軍不在の間、この島の近海で賞金首を狩ることにしたという。
「元気でな」
「「兄貴達も」」
ゾロにもう一度頭を下げて、２人は島の人達の方へと戻った。
「しかし、来ねェな…あいつ」
「来ねェんじゃねェのか？」
ウソップとゾロが港から町の方を見やる。だが、まだこちらにやってくるオレンジ色は見えない。
「来ねェのかナミさんは！！？オォ！！？」
「お前な！！生ハムメロン、どこにもなかったぞ！！」
約束の時間には少し遅れている。島の人たちも不思議そうに、互いに顔を見合わせていた。
「船を出して！！！！」
不意にそう叫ぶ声が聞こえる。顔をあげると、ナミがこちらに駆け出すところだった。
「走り出したぞ！！？何のつもりだ！？」
「船を出せってよ…とにかく出すか」
出さない理由は特にない。私は黙って錨を上げた。
「まさかあいつ…我々に礼も言わせず、別れも言わずに行こうというのか！！？」
「そんな…」
ルフィが帆を張れと叫ぶ。
「止まれ、ナッちゃん！！！」
「礼ぐらいゆっくり言わせてくれ！！！」
慌てる島の人達を見て、サンジが眉をひそめた。
「おい、いいのか！？こんな別れ方させちまって」
「あいつの別れ方ぐらい、あいつが決めればいいじゃん」
ルフィがそういったすぐ後で、ナミが舟に飛び乗った。
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りと(プロフ) - 甘党さん» あ、ありがとうございます〜！トンカチって書いてましたか…！すぐ修正しときます〜！！ (2018年11月26日 18時) (
レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - りとさん！読ませていただいてますが、一つ質問？です！322歩目の話でルフィの事をトンカチと言っていますが、正しくはカナヅチではないでしょうか？すごい細かくて申し訳ないんですけど、気づいてしまったのでとりあえずご報告を…(*'ω'*) (2018年11月26日 18時) (レス) id: de091372b0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - りとさん» そうでしたか！お返事ありがとうございますｍ(＿ ＿)ｍ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ミカン(=･ω･=)さん» ミカンさん、コメントありがとうございます。理由としては２つあって、１つは作者が面倒に思ったから。もう１つはない方が文字数が稼げるからです。別段意味はないですよ(*^o^*) (2016年8月18日 18時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - 質問いいですか？なぜ途中からセリフのとこに名前を付けなくなったんですか？変なこと聞いてごめんなさい！これからも頑張ってください^^ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2016年4月26日 14時
