323歩目 ページ36
「…くそっ！」
ルフィのことを考えれば、今この瞬間の一分一秒ですら惜しい。が、ここで今冷静さを欠くのも良くないとはわかっている。私は大きく深呼吸して、脱出の方法を考えた。
「おいっ！！ジイさんが飛び込んだっ！！」
ウソップの叫び声にはっとする。
「何だって…！？」
慌ててクロッカスさんのいた島に視線を向けたが、そこにはもう彼の姿は無かった。
「何する気だ！？溶けちまうぞ！！！」
「っ！助けなきゃ！」
飛び込もうと身を乗り出す私をゾロが掴む。
「あのじいさんが自分でやったことだ！おれたちがどうこうすることじゃあねぇ！」
「でも！！」
「じいさんよりてめェらのことを心配しやがれ！」
ゾロの言葉と同時に、また激しく船が揺れた。ナミやウソップが悲鳴を上げる。
(…そうだよね。それに、海でルフィが溺れているかもしれない、今は…今は助けられない…)
ぐっと唇を嚙み、私は小さく頷いた。
「船は出口へ向かってる。おれたちも早く出よう。クジラがこれ以上暴れ出す前に」
後ろ髪を惹かれるような思いだが、仕方なく櫂をつかむ。その瞬間、また強い揺れが船を襲った。
「うわ！！！」
「漕ぐしかねェ！！急げ！！！」
体勢を立て直し、ゾロにオールを放り投げた。
「行こう！」
ナミの声に頷いて、オールを胃液に入れた時だった。
「「うわあああああああああああ！！！！？」」
出口の横の小さな扉が開いて、３人の人影が落ちてくるのが見えた。
「まずいぞ、ミス・ウェンズデー！！下は胃酸の海だ！！」
「いやーっ！！！」
２人は見たことない人たち。もうひとりは、見慣れた麦わら帽子の男。
「ル…ルフィ…！？」
「よォ！！みんな無事だったのか！とりあえず助けてくれ！！」
慌てて手を伸ばすより前に、３人とも胃酸へ落ちていった。
「ルフィは置いといて、また変なのが２人いるんだけど…！！」
溺れている２人と、沈んでいくルフィ。２人が何者かは知らないが、ここで消化されていくのを見ているだけなのは気分が悪い。
「ゾロ、サンジ、あの溺れてる２人を頼む！私はルフィを引き上げてくる！」
サンダルを脱ぎ捨て、甲板の縁から胃酸の海へ飛び込んだ。
胃液のせいか、僅かに粘度がある。しばらく泳いでいると肌が溶けてきたのか、ピリピリとした痛みを感じる。赤い服を探しながら辺りを見回した。
「…！！」
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りと(プロフ) - 甘党さん» あ、ありがとうございます〜！トンカチって書いてましたか…！すぐ修正しときます〜！！ (2018年11月26日 18時) (
レス) id: 193ad08974 (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - りとさん！読ませていただいてますが、一つ質問？です！322歩目の話でルフィの事をトンカチと言っていますが、正しくはカナヅチではないでしょうか？すごい細かくて申し訳ないんですけど、気づいてしまったのでとりあえずご報告を…(*'ω'*) (2018年11月26日 18時) (レス) id: de091372b0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - りとさん» そうでしたか！お返事ありがとうございますｍ(＿ ＿)ｍ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
りと(プロフ) - ミカン(=･ω･=)さん» ミカンさん、コメントありがとうございます。理由としては２つあって、１つは作者が面倒に思ったから。もう１つはない方が文字数が稼げるからです。別段意味はないですよ(*^o^*) (2016年8月18日 18時) (レス) id: 78fb09e763 (このIDを非表示/違反報告)
ミカン(=･ω･=)(プロフ) - 質問いいですか？なぜ途中からセリフのとこに名前を付けなくなったんですか？変なこと聞いてごめんなさい！これからも頑張ってください^^ (2016年8月18日 18時) (レス) id: 86f8ae39c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りと | 作成日時：2016年4月26日 14時
