私はお前と海へ出る14(空島編前編) (ページ13)

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ル「…しし！！」

　ルフィがにっと笑った。

ル「メシだ────！！ウソップ、急げ！！」

ウ「……」

マ・シ「「オウ！早く来い────！！」」

サ「おいチョッパー！ロビンちゃん、呼んで来い」

チ「うん」

　ウソップががくりと膝をついた。どうやらクリケットの懐の広さに圧倒されたらしい。

ナ「最善を尽くすしかなさそうね…空へいくために」

『最終的には運任せだけどね』

　ウソップがゆっくりと口を開く、

ウ「A…おれはミジメで腰抜けか？」

『おまけに間抜け。でも、ま……気持ちはわからないわけじゃない』

　ぽん、とウソップの方に手を置いた。

『ちゃんと謝ってきな』

　私の言葉にウソップが頷いて立ちあがった。

ウ「おやっさん、ごめんよォオオオ！！！！」

大泣きしながらウソップがクリケットに飛びつく。

ク「うわ！！てめェ鼻水つけんな！！」

　勢いよく振り下ろされた拳が鈍い音をたてた。

　人気のないジャングルに囲まれた岬に、大きな笑い声が響く。

ク「いや今日はなんて酒のうめェ日だ！！！」

マ「さァ食え食え！！まだまだ続くぞ、サンマのフルコースは！！！」

ク「オウ、ねーちゃんたち！こっち来い、ここ座れ！！」

サ「ナミさんとAさんをハベらそうなんざ100年早ェぞ！！！」

　ジョッキ一杯の酒を飲み干して、私は次の酒に手を伸ばす。楽しい酒の席のせいか、酒を飲む手が止まらない。

シ「いけるな。おめー！」

ゾ「まだ量の内じゃねェよ」

　気持ちの良い酔いが回りはじめる。

ク「髑髏の右目に黄金を見た」

　クリケットの声に顔を上げる。

ク「涙でにじんだその文が、ノーランドが書いた最期の文章……その日、ノーランドは処刑された」

　ノーランドの日記の最期の一言らしい。意味ありげな言葉に思わず胸が高鳴った。冒険の匂いがする。

ク「このジャヤに来てもその言葉の意味は全くわからねェ」

　ぐいと酒瓶を煽ったクリケットが演技がかったため息をついた。

ク「髑髏の右目だァ！！？コイツが示すのはかつてあった都市の名か？それとも己の死への暗示か…？後に続く空白のページは何も語らねェ」

　そう言うとクリケットは大きく息を吸い込んだ。

ク「だからおれ達ァ潜るのさ！！！夢を見るのさ、海底に！！！」

マ「そうだぜ、ウキキィ！！！」

シ「ウォーホー！！」

ル「おれ達ァ飛ぶぞー！！」

ウ「空へ飛ぶぞー！！！」

「『おー！！！』」

夜の岬に私たちの宴の声が響いた。