私はお前と海へ出る14(空島編前編) (ページ11)

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ウ「こりゃ無理だぜ！」

　そう言ってウソップはヘラヘラと笑った。

ウ「なにせおめェ、ラッキーの中のラッキーの中のラッキーの中のラッキーくらいのラッキー野郎じゃなきゃ行けねェって話だ！」

ル「大丈夫さ、行こう！」

　ウソップの不安をごまかすような笑顔に、ルフィはあっけらかんとした笑顔で応える。

ウ「大丈夫ってまたお前、またそんな根拠のねェ事を軽々と…」

　ウソップはよよよ…と泣きながら、港にとまったメリー号をさした。

ウ「だいたいよ…今のG・M(ゴーイング・メリー)号を見ろよ…あの痛々しい姿…！！」

　メリー号の姿はウソップのいうように、すっかりボロボロだ。いたるところにつぎはぎが目立ち、船体の塗装は擦り切れている。

ウ「このままじゃ巨大な災害になんて立ち向かえねェよ」

『…。』

　ウソップの言葉に、私も小さく頷いた。

ク「確かにな。あの船じゃ…たとえ新品の状態でも無理だ」

ウ「なにィ！！？」

『やめな。言ってることは事実だよ』

　クリケットの言葉に眉を吊り上げたウソップをどうどうと抑え込む。

ル「スピード…重量…強度…。あの船じゃ爆発と同時に粉砕して終わりだ」

ウ「…！！」

　クリケットの言葉にウソップがごくりと唾を飲み込んだ。

ウ「…でも……な！？だろ！？無理だ、やっぱ！！」

ク「─だが、その点は心配するな。マシラとショウジョウに進航の補助をさせる。もちろん、事前に船を強化をした上でな」

マ・シ「「オ────ウ！！任せろ、おめェら！！」」

ル「よろしくな───！！」

　どうやらもともと話はまとめてくれていたらしい。

ナ「あんたね、わかってんの！？」

ナミが慌てた様子でルフィのそばに駆け寄った。

ナ「そもそも…そうよ！！」

ル「なんだよ！」

ナ「私達がこの島に滞在してられる時間は、せいぜい後一日よ？それを過ぎたらもう記録指針(ログポース)はこの次の島の方角を指し始めるわ！」

ウ「だよなー！！だよなー！！間に合わねェよ！！」

　そう言ってウソップは笑顔を浮かべる。

ウ「なァ、おっさん！！預言者じゃあるまいしわかりゃしねェと思うが、次に『突き上げる海流(ノックアップストリーム)』の上空に、偶然『積帝雲』が重なるであろうって日は約何日後？いやいや…何か月後？いや何年後になるかなァ！？」

　ウソップの問いにクリケットは特に表情を変えずに口を開いた。

ク「明日の昼だな」