4 ページ6
鐘が鳴り、午後の授業が始まった。
五年い組の生徒は、実技授業のため裏山に来ていた。
｢今日は体力づくりのための崖登り、それが終わったものから手裏剣打ちのテストだ！｣
木下先生のその言葉を聞いて、もう五年生になった彼らは、口にこそ出さないがかなり萎えている。
それは優秀と言われる久々知兵助や、学級委員の尾浜勘右衛門も例外ではないようで……
｢はぁ〜、今回の実技もかなり疲れそうだなぁ｣
｢だな。やる内容は下級生の頃に経験したことばかりだけど……｣
それでも疲れるよねぇ、と自分の番が来るまで待つ尾浜と久々知。
｢あ、俺たちの番だ！｣
｢ケガするなよ、勘右衛門！｣
意気揚々と崖を登り始める二人。
｢これで生徒さんは全員ですか？｣
｢うむ。授業の手伝いを頼んですまないな、切谷｣
｢いえ、仕事ですから…｣
霞が頼まれたこととは、生徒が危険な目にあったときの対応、テストの審査である。
五年生にもなって崖から落ちるような忍たまはなかなかいないから一見意味のないことにも思えるが、
最近雨が振ったためかなり滑りやすくなっている上、中には寝不足で怪我をする生徒もいるのだ。
｢では、わたくしは先に上に行っております｣
霞は鉤縄を持ち、苦無で器用に崖を登っていった。
｢ほう…事務員にするにはもったいないほどの技術だな｣
自分達と同じ崖を難なく登る霞を視界の隅にとらえ、五年い組の生徒達も少し驚いている。
｢す、凄い…俺たちと同い年だったよな？｣
｢どこかの学園で学んできたにしても凄いなぁ…きっと座学とかも得意なんだろうな｣
それを耳にした霞は少し照れていたが、それを生徒たちに感じさせないためにひたすら上だけを目指していた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 42人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
げんぢ(プロフ) - こよかさん» お忙しい中返信ありがとうございます!そうなんですか!とっても楽しみです~!😢♡無理なさらず主さんのペースで更新していただければうれしいです🙌🏻 (2023年1月23日 6時) (
レス) id: c90bc7c72b (このIDを非表示/違反報告)
こよか(プロフ) - ひかるげんぢさん» ありがとうございます〜！！思ったより忙しくて中々更新できてませんが、そろそろ続きを書こうと思ってますのでぜひぜひ！🥰 (2023年1月23日 4時) (レス) id: ff286fcc14 (このIDを非表示/違反報告)
ひかるげんぢ(プロフ) - すっごく内容がどタイプでした!続き楽しみに待ってます( ˊᵕˋ* )♩ (2023年1月17日 23時) (レス) @page19 id: c90bc7c72b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こよか | 作成日時：2022年11月7日 1時
