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「流石でしょ？」
「俺が鍛えてやってるだけあるわ。」
「そうですね。先輩がいつも体術見てくれるから。」
にこっと笑えば、悟は驚いた表情でAを見つめる。
ぽかぽかと暖かい談話室のなか、2人の視線は交わった。
先ほど肩を抱いた名残で悟の腕がAの後ろまで伸びていて、このまま近づけばキスだってできるんじゃないかという雰囲気が部屋に漂う。
「ま、来年くらいには2級になって貰わねぇと困るわ。」
「無理ですよ。」
「お前には最低限１級目指してもらう。」
「何でですか。」
「なんででもだわボケ。逆に最強の俺が教えてんのに弱ぇとか許せねぇ。」
「はいはい、わかりましたよ。一級ですね。」
「約束な。」
先ほどの雰囲気を打ち破ったのは悟で。
どうにか先ほどのムードを壊すように言葉を考えていたAをその言葉は助けた。
あのままキス出来たらどれだけ気持ちは楽になるのだろうか。
勿論悟が拒否しなければ、の話だが、その時の気持ちは楽でも、後々苦しむことになるだろう屑とのキスはAにとって回避しなければならない事柄だった。
笑いながらAの頭をぽんぽんと叩く悟に、Aも照れ笑いしながら後の時間を過ごした。
彼にとっていい誕生日になればいいな、そのような心持であったが、どうやらそれは成功したようだった。
…夜も更け、いつものようにゲームを１時間ほどした頃。
何となく区切りがよくなったため、Aと悟はゲームを終わりにした。
いつもなら談話室でおやすみなさいと別れていくのだが、よほど誕生日プレゼントが嬉しかったのだろうか。
悟はAを部屋の前まで送ってくれた。
「どうしたんですか、そんな嬉しかったですか？」
「気分だわばーか。うぬぼれんな。」
部屋のドアの前、Aが振り返るとAの真正面に立った悟がそう言う。
少しだけ、少しだけ、ほんの少しだけ踏み出してもいいだろうか。
Aが腹をくくって口を開こうとしたその時、Aはズルしていつも嗅いでいた彼の香りを不意に香ることになる。
「さんきゅーな。」
オレンジ色に光る白熱灯が、一緒になった２人の影を映す。
抱きしめられたその体は離されることなく、夢なのか現実なのかもわからないほどに驚いているAは長くも短くも感じたその時間を何も口を開くことなく終えた。
「んじゃ明日な。」
「お…やすみ、なさい。」
冬の寒い日、ぽっと明るくなったその場に、Aはただ一人取り残されていた。
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こにしりおん(プロフ) - 0aa2t4497251v4jさん» お気遣いありがとうございます！どっちも頑張りますね。コメント嬉しいです (7月22日 3時) (
レス) id: bb58dec0f7 (このIDを非表示/違反報告)
0aa2t4497251v4j(プロフ) - 社会人一年目はしんどいのでゆっくりで書いた方が良いですよ。私生活優先です。ゆっくり仕事に慣れて下さいね。無理なく頑張って下さい (7月21日 15時) (レス) @page36 id: b21cc666ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こにしりおん | 作成日時：2022年3月11日 4時
