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「先輩だめですよまだ傷が、」
「いや、いい。」
肩を支えながら上半身を起こすと、悟は首の骨を鳴らし、息を吐いた。
「悟、先輩？」
ただ様子がおかしい。
瞳孔が開いたまま、笑い、感じたことのない呪力を発している。
「なぁ、A。世の中こんなに気持ちいいことあるか？」
「何を言って、」
「最高の気分だ。」
ハイになっているようだった。
アドレナリンの過剰分泌に加え、みなぎる呪力と自覚できるほどの呪力の覚醒。
悟は今世界のすべてが視えていた。
「ちょっくら行ってくるわ。」
「行くってどこに！まだ安静にしてないと……！」
「さんきゅーな、A。」
悟の様子についていけず座ったままのAを置いていくように、悟は彼女の頭に軽いキスをする。
勿論当時は付き合ってもいなければそういう話をしたこともない。
この時、悟は今なら何でもできるような気に満ち溢れていた。
悟はそのまま術式を地面に書いて去っていく。
取り残されたAはぽかんとしたまま、その状況を追いついた夜蛾と硝子に発見された。
「八九寺！怪我したのか？！」
「夜蛾先生……。これ全部、悟先輩の、です。」
「その悟は？」
「どこかに飛んでいきました。」
「はぁ？？」
「本当にたくさん傷口あって、しかも深いのが。でも反転術式で……。」
Aはこの状況に頭が追い付かずに、たどたどしくしか言葉を発せない。
死ぬことが確定していた状況だった。
それなのに当の本人は立ち上がってどこかへ飛んで行ってしまった。
Aのようになるのも無理はない。
結局傑は意識不明の重体。星漿体である天内理子は、遺体となって発見された。
幸い傑は硝子の反転術式によってその日のうちに動けるようになったが、Aが仲良くなるつもりでいた”クソガキ”、理子は遺体。
Aよりも幼いその子が、事情は頑なに夜蛾が教えてくれないが大人のせいで犠牲になることをみて、呪術界の暗い部分を見たような気がした。
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こにしりおん(プロフ) - 0aa2t4497251v4jさん» お気遣いありがとうございます！どっちも頑張りますね。コメント嬉しいです (7月22日 3時) (
レス) id: bb58dec0f7 (このIDを非表示/違反報告)
0aa2t4497251v4j(プロフ) - 社会人一年目はしんどいのでゆっくりで書いた方が良いですよ。私生活優先です。ゆっくり仕事に慣れて下さいね。無理なく頑張って下さい (7月21日 15時) (レス) @page36 id: b21cc666ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こにしりおん | 作成日時：2022年3月11日 4時
