長月。 ページ18
「日本だー！！」
「八九寺さん、静かに。」
八月の初めにグアムに行き、今は九月下旬。
約2か月というのに懐かしさの度合いは10年ぶりの程だった。
迎えに来てくれた七海に図々しく荷物を持たせると、彼をしばしば怒らせながらはしゃいだ。
「七海先輩ラーメン食べたい！」
「わかったので静かにしてください。」
鬱陶しそうな七海にラーメンを奢って貰い、空港の外に出ると補助監督が車で待っていてくれた。
「私は今から任務ですので。」
「え、ついていきます！」
「結構です。」
「嫌だ！」
出たよ見たいな顔をした七海は、補助監督に運転をお願いし、Aを乗せたまま任務へ向かった。
そして帰宅ラッシュに巻き込まれ帰ってきたのは夜の9時。
明日の交流会に備えて大人たちが準備する中、久しぶりにもほどがある硝子にAはしがみついていた。
「こりゃ七海大変だったな。」
「あとは頼みます。」
「いやいやいやいや今からゲーム大会でしょ？」
「パス、寝な。明日京都校は大人数なんだから備えときな。」
「じゃあ明日！」
「へいへい。」
硝子の変わらないドライな対応に、これまた久しさを感じながらAは部屋に戻った。
部屋は定期的に高専の職員がきれいにしてくれていたらしく、2か月前と何ら変わらない。
そんな部屋に職員さんへ感謝しつつ、荷物を置いてドレッサーで身だしなみを整えると、Aは皆とは2周り大きな土産をもって部屋を出ていく。
行き先はというと、もちろん悟の元。
あれほど二か月前に怒らせてしまったが、まあ許してくれるだろう。
るんるんと効果音が付きそうな程ワクワクしながら悟の部屋の扉をノックすると、彼はすぐにそのノックに応じた。
「何？」
「帰りましたよ！先輩お久しぶりです！」
「で？」
「え？」
「終わり？」
「いや、…悟先輩、怒ってます？」
「別に？お前が黙って二か月消えても別に何も変わってねえよ。」
「ごめんなさい。あの…。」
「もういい？」
一方的に拒否され、閉じられた扉の音に虚無感を覚える。
そっと悟のために皆とは別に用意したお菓子パックを扉の前において、気を落としながらAは部屋へと戻る。
部屋に帰る頃には涙は溢れて止まらず、自分は確かに行きたくなくなる為だけにそうしたが、今まで仲が良かった悟にとってはあんな事をされて怒らないわけがない。縁を切られてもおかしくない話だ。
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こにしりおん(プロフ) - 0aa2t4497251v4jさん» お気遣いありがとうございます！どっちも頑張りますね。コメント嬉しいです (7月22日 3時) (
レス) id: bb58dec0f7 (このIDを非表示/違反報告)
0aa2t4497251v4j(プロフ) - 社会人一年目はしんどいのでゆっくりで書いた方が良いですよ。私生活優先です。ゆっくり仕事に慣れて下さいね。無理なく頑張って下さい (7月21日 15時) (レス) @page36 id: b21cc666ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こにしりおん | 作成日時：2022年3月11日 4時
