僕の声、君を救うため。【あほの坂田】 (ページ6)

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うページ6

＂浦島坂田船＂

この名前を見た瞬間に、『優』の顔が思い浮かんだ。

坂田、なんて、本当に優だったら本名使ってるじゃん。
でも、坂田なんて名字、世の中いっぱいいる。

気になって色々調べてみたら、ツイッターに辿り着いた。

あほの坂田。って名前で活動してるんだ。

昔のツイートを見る為に、下にどんどんスクロールしていく。

顔画像を見たら、ちょっと変わったけど、優の顔だ。本当に優だったなんて。

気になるツイートを見つけた。

＂前あげた歌は、中学までやってんけど幼馴染がモデルやねん。今はもう連絡とられんねんけどなw
元気してるかな。俺に歌ってっていつも言ってきててんでww＂

なんて。まるで、私の事を言ってるみたい。
私は毎日毎日、優に歌を求め続けた。

歌って何だろう。何か気になる。

もうちょっと下にいってみると、

＂独りで溜め込まないで。もう会えないかもしれないけど、歌だけ贈るよ。………君に届くといいな。＂

って。

それと同じ所に歌が聴けるリンクが貼ってあった。

それを押して、そのサイトに飛ぶ。

イヤホンを付けて聴いてみると、

『昔の私と、………一緒、だよ…っ、』

全く一緒。「俺が作詞してみた！末永く聴いてくだされ～」と。

これじゃ、……………私を想ってるみたいじゃんか。

『君が幸せになるまで僕は歌い続ける』
とか、
『＂歌＂と君は言う。何もできない代わりにお望み通りに。』
とか。

一見、綺麗事の様に聞こえる。もし他の人が歌っていたらそう思うだろう。

だけど、優の声、優の気持ちがこもってる。

ここで歌っているのは皆の前で飾っているあほの坂田じゃない。＂優＂だ。

コメントでは、「さかたんなんか歌い方違う」「気持ちがいつもよりこもってる気がする」など、色々な事が書かれてる。

本当の歌い方だ、優の。ここで歌っているのは、優なんだ。

この歌で、救われた人達は何人いるだろう。

そう思ったら、同じ立場に立たなくても、人を歌で救いたいと思った。

だから私は選んだ。

今まで学んできた音楽の知識を最大限に生かして、今度は私がみんなの前で歌を歌う、と。