・（そらる） ページ6
『そらるさんと一緒にいます！』
目を瞑りながら言うと優しく包まれる体。
そらるさんが私を優しく抱きしめていた。
「…仕方ないですね、僕は引きます。
幸せになってくださいね。Aさん」
笑いながら、でも寂しそうな顔をして作業部屋に向かうまふ。
『まふもっ、ありがとう』
そう言うと、少しだけ笑ったような気がした。
「A、俺の家で話そう」
まふが作業部屋に籠り始めた後、そらるさんがそう言った。
そらるさんは私を抱きしめたまま自宅へ戻る。
『あのっ、重いから離してください！』
「離さない。離したくない。
４年、Aを手に入れたくて頑張って来た」
家に着くとベッドへ投げ出される体。
『そらるさん…？』
「俺、Aに酷いことしたくない。だから、
優しくする」
甘く耳元でささやかれてびくりと跳ねる体。
満足そうに私を見つめたそらるさんは、私に優しく触れた。
「痛かったら言って。
辞めるとは言ってないけど」
『ちょっと、そらるさ、ん』
そのあとのことは、あまり覚えていない。
気付いた時には夜が明けて、隣には上半身が丸出しになったそらるさん。
『そらるさん、起きてください』
だるくなった体を起こし、そらるさんを揺さぶる
「ん…なぁに」
『外、見たいからついてきてください』
「仕方ないなぁ…」
そらるさんはゆっくり起き上がり私の腰に腕を回しベランダに向かう。
静かにカーテンを開けると、そこには虹のかかった空と輝く太陽。
『すごくきれいな空ですね…』
「雨上がりの日曜日。
Aと一緒にこの景色を見れて本当に幸せ」
『私もです』
「大事にするから俺の隣にいてくれませんか」
『プロポーズですか？
早くないですか？』
「そのくらいAが好きってこと。分かってくれるまで言い続けるけど」
『私も年なんで、そらるさんがもらってくれないとおばさんになっちゃいます』
そう笑うと、そんなことない、と抱きしめてくれるそらるさん。
こんな幸せがずっと続きますように、と力を抜いてそらるさんに身を預けた。
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作者名：蘭人 x他1人 | 作成日時：2020年4月1日 22時
