・ ページ45
『ほんっとに尊い…顔がいい…声が最高』
涙をこぼしながら歌う坂田さんを見る。
何度か目が合ってファンサをもらう。
口パクで
「あ と で」
と言われる。
きっと私が楽屋招待を当ててると信じているのだろう。
…当てたけど。
ライブ終了後、スタッフさんのもとへ向かう。
運がいいですね、なんて笑われながら楽屋まで案内してもらう。
スタッフさんが楽屋のドアをたたき、メンバーの返事を確認してからドアを開ける。
では、どうぞ。と言われて私だけ楽屋に入る。
やっぱりな、という顔の志麻さんセンラさん、うらたさん。
顔をほころばせて私のもとに駆け寄ってくる坂田さん。
「さっすがA！当ててくれると思ってたわ！」
『２つとも当ててしまったんですよ…』
「うわすっげ…」
うらたさんの口からそうこぼれる。
「さすが俺のA！
いつも頑張って積んでくれとるもんな！」
いつもありがと、と笑う坂田さんはやっぱりかわかっこいい。
志麻さんとセンラさんに囲まれて
俺のオキニにもなる？と聞かれるが丁重にお断りする。
「俺のAにさわんなや。
自分のオキニでも可愛がっとき」
そう言うと私を引き寄せて後ろから抱きしめる坂田さん。
「な、今日打ち上げないんよ。
…ホテル、来るやろ」
耳元でこっそりそうささやかれる。
顔が赤くなるのを自覚しながら頷く。
こんなにも幸せでいいんだろうか。
夢なんかじゃないんだろうか。
『うらたさん、志麻さん、センラさん
今日もカッコよかったです！
次のライブも頑張ってください』
そう言って用意していた色紙を渡す。
『お手紙のところに入れようかと思ったんですけど時間なくて…直接渡してごめんなさい』
「ん、さんきゅーな」
「いつもほんまにありがと」
「坂田なんてやめておれにしーひん？」
センラさんの言葉に苦笑いしながらも坂田さんの方を向く。
『坂田さんは別格の輝きでした。いつもかっこいいけど歌ってる坂田さんは最高に素敵で…』
つい言葉に詰まっていると、坂田さんに強く抱きしめられる。
「うんうん、分かっとるよ
ファンサした時の嬉しそうな顔、俺も忘れられへん」
ドキドキが止まらない。
そうしているとホテルへと移動の時間になった。
坂田さんとタクシーに乗り込んでホテルに向かう。
いつもはたくさんお話ししてるのに今日は黙ったまんまだ。
楽屋でも思ったけど、なんか機嫌悪い？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蘭人 x他1人 | 作成日時：2020年4月1日 22時
