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「ほんとに坂田の従妹ぉ?マジいい子やん!」
『悠くんも、優しいですよ
こっちに来るときも家探し手伝ってくれたり、今でも時々ご飯連れていってくれたりするんで』
「ほらほら、もっと言ったって!」
志麻くんもうらたんも気に入ったらしい。
「この後、俺んち来るんやろ?
もう電車ないもんな」
『悠くんが疲れてるだろうからついでに家事もするよ』
「神じゃん…」
そんなやり取りを聞いて、うらやましいと思った。
だから、つい
「俺も坂田んちいこ!」
そう言ってしまった。
「は?」
「俺Aちゃんともう少し話したい!
Aちゃん、ええ?」
すっとAちゃんの傍によって手を握る。
少しだけ顔が赤くなったのは俺の気のせいだろうか。
『悠くんがいいなら、私は構いませんよ。
えっと、センラさんでしたよね』
しっかり名前も覚えてくれているようだ。
「そ、センラやで〜」
少しおどけて、じゃあまたあとでやなぁと頭をポンポンとする。
「センラさわんなやぁ」
こそっと俺の耳元でそういう坂田に、
「お前が俺の好みって言ったんやんけ。
言った通り好みドストライクなうえに性格もええ感じやし。
てことで、俺頑張って好きになってもらうわ〜」
「ほんまこいつ…
Aは難しいで」
「いやぁがんばりますわぁ、よろしくお兄さんw」
「黙れ」
こんな言い合いできるのも坂田だけだろう。
そのまま解散ということで、うらたさんと志麻くんが先にタクシーに乗り込む
「おつかれ」
「またリハでな〜」
手を振りながら去っていく2人。
「俺らもいこか」
坂田が呼んでいたタクシーに3人で乗り込んで、坂田の家へ向かう。
タクシー内ではAちゃんのことについてたくさん聞けた。
彼氏が今までできたことがないこと、部活をやってこなかったことなど。
本当に趣味もないし何事にも興味がない様だ。
勉強も周りが言うからやっているだけで別に好きなわけではないらしい。
20分ほどで坂田の家に着く。
俺が払うよ、といって2人を先に降ろして会計をする。
「さんきゅーな」
「家連れてきてくれたから、お礼」
ひらひらと手を振って坂田の礼にこたえる。
それに、Aちゃんとも会えたしな。
タクシー代くらい安いもんだ。
家の鍵を開けてリビングに通される。
相変わらず綺麗に見えてえて少ししごちゃついているところが坂田らしい。
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作者名:蘭人 x他1人 | 作成日時:2020年4月1日 22時