恋の味を教えよう(センラ) ページ15
「なぁ〜楽屋招待辞めへん?」
ライブ終了後。
各会場2人楽屋招待を行っているが正直最近しんどい所もある。
「リスナーさんと触れ合えるせっかくの機会なんだから我慢しろ」
ぱしっとうらたんに頭をたたかれる。
「俺は嬉しいけどなぁ」
「俺もー」
坂田と志麻くんも賛成派の様だ。
「あ、今日楽屋招待の1人が俺の従妹なんよね。
メール来とったわ」
思い出したように坂田が俺らにそう告げる
「は?お前の従妹?」
「そそ、7歳下」
坂田の従妹がcrewだったとは。
「へぇ、従妹がcrewだったんや」
「いや、違うで。俺が頼み込んで見に来てもらってん」
話を聞くと、従妹ちゃんは全く趣味がなく大学でも勉強にしか力を注いでないらしい。
余りにも周りに興味がなさすぎるのを心配した坂田がライブに招待したとのこと。
「じゃあ、缶バッジもそんなに買ってないんちゃうん?
その子運ええなぁ」
志麻くんが感心したようにつぶやく。
確かに、何百個と積んでいるcrewもいると聞く。
相当運がいいのか、やはり無欲というものが強いのか。
「ラマン好きそうな子やで」
最近彼女が欲しいとこぼしたせいか、坂田がそう耳元で囁く。
「あほか!ほんまにお前は…!」
坂田とギャーギャー言い合っていると、スタッフが楽屋に入ってくる。
「楽屋招待開始しまーす、お願いします」
そう言って一人目が入ってくる。
こたぬきだったらしいその子は、うらたんにたくさんお話ししてもらって満足そうに帰って行った。
「じゃあ、2人目行きまーす」
スタッフが坂田の従妹を部屋に招き入れる。
「A〜」
坂田がその子に飛びつく。
7個下ということは21くらいだろうか。
165センチほどあるのではないだろうか。すらっとした立ち姿である。
「綺麗な姿勢やなぁ…」
営業をしていたからか、綺麗な立ち姿に感心してしまった。
『初めまして。悠くん…となりの坂田。の従妹です。
Aと申します。本日はとても楽しかったです。お疲れ様でした』
坂田に抱き着かれながら迷惑そうな顔をしていたものの、俺らを見てきちんと挨拶をするAちゃん。
ええ子やん。
「Aちゃん、身長何センチ?」
『165です』
俺が予想してた通りだった。
うらたんはくそぉ〜といいながらAちゃんに近寄る。
「俺よりも3センチでかいのかぁ…」
『うらたさんはそれでもすっごくかっこよかったですよ』
「まじ…?」
『マジです』
気の遣える子らしい。
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作者名:蘭人 x他1人 | 作成日時:2020年4月1日 22時