第51話 ページ5
「ヒック…ぐすん」
「えっ…」
カウンターに戻ると一人で泣くAがいた
「ど、どうしたんだよA…!
何、なんかあったか?」
1人でどうしたらいいのかと慌てるが
一向に泣き止まない
「り、りんどーがなかなか戻ってこないから
私、置いて女の子っヒグッとこ
遊び行っちゃった、思ったぁあ!!」
(この酔っぱらいが……)
「ぁーわり、電話長引いた」
そう言いながらもといた席に座ると
トンッと肩に重さが加わる
「お、おいA」
「竜胆にもさけ、られたらかなし…」
(…兄貴来るまではいいか)
「お前どんだけ飲んだんだよ
この短時間で…」
「お薬と一緒に飲んだ〜」
「三途が聞いたら喜びそうだな」
「フヘヘっ…そうかな…」
くしゃりと笑う顔を横目に見ていると
「ね…りんど」
「ん?どうした」
「らぃすき…
…りんちゃ、も、ら…んも」
徐々に呂律の回らなくなっていくA
「ら、んにごめ、なさ..しな…と…..」
そのまま寝息が聞こえてくる
「あ〜…
ぜってぇ当分許さねぇって思ってたのに…
竜胆自慢のイイ女貸してくんね?」
「兄貴いたのかよ」
「竜胆が俺に嘘ついてまで
Aとデートしたかったなんて
にーちゃん知らなかったな〜」
「充分借りたから返すよ」
「じゃ先帰るな」
そういって彼女をおぶって店を後にする兄貴
「いいとこばっか取りやがって…」
1人残され酒を飲み進めた
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作者名:おじょ。 | 作者ホームページ:http://liqueur-silverbllet
作成日時:2022年3月14日 3時