第52話 ページ6
Aをおぶったまま自宅にたどりつく
「こいつの財産全部九井に任せるか…」
ソファに下ろし顔にかかるAの髪を払う
「こんな色の口紅つけてたか?」
片手で顔に触れ親指で唇についた見慣れない色を拭う
寝ぼけているのかその手に頬擦りしてくる彼女を見て
(ぁー…好き)
空いた片手で自身の顔を覆った
「早く起きろよ、A」
小さく呟いて着替えにその場を離れた
.
.
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ベランダに出て煙草に火をつける
「…やっぱダメだな」
そう言葉を溢してまた煙草を吸う
ここ数日間何人も女を抱いた
綺麗な女ばかり
1日に何度も何度も
だけど
「全然イけねぇ」
どんなに綺麗な女とヤったって
Aの顔がチラつく
煙草を灰皿に擦り付け部屋に戻って
改めて眠るAの元へ行き
そのままAの上に跨る
「おまえじゃないとダメだわ…俺」
重みに顔を顰めるAに下半身が疼いた
「んじゃ、仲直りのキスからな」
わざとAの鼻を摘み
息をさせないように唇を塞ぐ
長いキスに眉間に皺が寄ってくる
「っ…!んっ!んん!!」
トントントンと背中を叩いてくる
唇と摘んでいた手を離してやると
「ハッ!!…ゲホッケホッ!!!」
一気に空気が入り咽せるA
その光景にもゾクゾクしてくる
「ら、ん…らんちゃん?」
「仲直りのキス
…許してあげる」
絶え絶えに言葉を紡ぐA
「も、さけたり…し、ない?」
Aの目に溜まった涙を拭ってやる
「しねぇよ、お前以外考えらんねぇし」
そう言いながらTシャツを脱ぐ
「それじゃ……
次は仲直りのえっ ち始めよっか」
そういって今度は優しくキスをする
「んっ…らん、蘭…ごめ、ね
…好き」
その一言に今度は心が満たされる
「俺も」
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作者名:おじょ。 | 作者ホームページ:http://liqueur-silverbllet
作成日時:2022年3月14日 3時