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4話 ページ5

side斉木楠雄

中学に入る前に

斉木「神咲。」

A『…』

幼馴染としても距離を置こうと苗字で呼んだら無視された。

母「明日はくーちゃん、Aちゃん誘って遊んだら〜?最近めっきり会わないから〜。」

という事で誘ってみようにも無視された。

母「年頃の女の子なのかしら〜」

そういう訳ではないと思う。


「嬢ちゃん可愛いねー。」

「どこの子?中学生?」

おやつを買おうとコンビニに行く途中になんかあった。

A『…ぁ。』

やめろ、関わるな。

「なに?お友達いた?」

「あ?ガキしか居ねーじゃんか。」

「知り合い?」

A『…知らない、あの人もお兄さん達も。』

「これから仲良くなろーよー。」

「そーそ。」

きっぱりと綺麗な声で『知らない』と言われた。

僕の目を見てはっきりと。

だからもう関わらないと決めた。

A『…どこ行くの。』

「楽しいトコ。」「仲良しになれるから。」

…ダメだ、断れ。

A『…』

行っちゃダメだ。

A『…くー……』

「なんだ、このガキ。」「カレシ気取りか?」

行っちゃダメ。

斉木「早く!」

2人で猛スピードで逃げた。

A『…ゴメンね…ありがと。』

なんで逃げないのか。

Aはみるみる大粒の涙を目から零した。

肩を震わせて、クシャクシャに泣いた。

斉木「ごめん…」

怖かった。という思いだけが伝わった。

Aは触れた対象の過去や人柄全て見れた。

おそらく腕を掴まれてとっさに見て怯えたんだろう…

A『…今日はありがとね…えっと…斉木君…』

苗字で呼ばれた瞬間、Aがとても遠くに行ったように思えた。

ここに居るのに、どこか見えない所に行った気がしてならなかった。

斉木「もう良いよ…元のままに戻ろ。」

A『?』

コイツはこういうのはハッキリ言わないと伝わらない。

斉木「帰るよ。A。」

Aはとても明るい笑顔で

A『うん!』

と言った。


A『…?くー?』

なんだ。

A『…別に。』

昔より読めなくなってきたコイツ。

僕がただ1人、読めない。

何故なのかは知ってるが、それでもアイツなりの僕への接し方だから気にしない。

僕はテレパシーで読めるから幼馴染が気を利かせて自分の心が読めなくようにした。

そうでもしないと怖かった。

ずっと傍に居た奴を知りたくない。

僕も知られてはいけない。

だから互いに暗黙の了解で読まないように最低限の会話しかしない。

1番良い距離だと思う。

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白桜姫 - 続き見たい(切実に) (2018年10月21日 22時) (レス) id: 6519ad1531 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ペテン師 | 作成日時:2018年9月6日 16時

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