45 反乱の狼煙 ページ45
雷門ボールで、後半戦が開始された。
ボールは倉間から浜野へ、そして……天馬へ。
天馬のプレーに感化された──というわけでもないらしい。おおよそパスしてくれと言われたからしたのだろう。
切り込む天馬。天河原選手がマークに入るが、絶妙なタイミングで信助にパス。
しかしスライディングを避けられず、ボールは奪われてしまう。
そのまま攻め込まれ、FWへのセンタリング。
しかし、パスが繋がる前に──三国さんが前に出た。
身を呈して、しっかりとボールをキャッチ。
その体運び、目付きにもう迷いはなかった。決意したのだ。フィフスセクターに逆らうことを。
「ゴールは俺が守る！ この試合、勝つぞ！」
「「はい！」」
勢いづいた雷門は、そのまま天河原ゴールへ攻め込んでいく。
『神のタクト』を駆使し、果敢に前へ。
──指揮者のように振られる手から、目が離せない。知らぬ間に鳥肌が立っていた。
すごい。これが神童の、本気のサッカー。
だが猛攻も長くは続かなかった。
ボールを奪われ、一気に切り込まれる。反乱の意思が固まらない雷門メンバー八人は、動くことが出来ない。
再び現れる化身、そして必殺シュート。
「『ファルコ・ウィング』！」
またしてもゴールが割られるかと思ったその時──天馬が身体ごと真正面からボールをブロックした。
その背中には、弱々しいながらも黒いオーラが。
しかし勢いに競り負け、跳ね飛ばされてしまう。
「なら……俺の化身で止めてみせる！」
その間にゴール前まで戻ってきていた神童を中心にして、凄まじい覇気が巻き起こる。
先程とは違い、オーラは猛々とその勢いを増し──はっきりとその姿を現した。
あれが……神童の化身。四本の腕に長い髪。音楽家が醸し出すような、高名な雰囲気が溢れ出している。
化身対化身、激しいぶつかり合い。
勝ったのは……相手だった。神童の化身は霧散し、消えてしまう。
ここで反乱は終わってしまうのか。その場の誰もがそう思ったが。
「『バーニングキャッチ』！」
──三国さんは、止めてみせた。
天馬、神童、三国さん。三人の力が合わさり、化身シュートを止めた。
これが……雷門魂。
「『そよかぜステップ』！」
天河原キャプテンを抜き去り、ボールは神童の真上へ。
そして。
「勝つためにはお前の力が必要なんだ！ 来い、俺の化身──『奏者マエストロ』！」
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キメラ(プロフ) - 充滞さん» 充滞さん、コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても光栄です、励みになります！ マイペース更新ですが見守っていただけると嬉しいです。 (2022年5月24日 21時) (
レス) id: 6fadaab96b (このIDを非表示/違反報告)
充滞(プロフ) - キャラがとても公式よりで、とてもドキドキしました！主人公が抱く神童への劣等感、羨望を感じます。木から落ちる主人公を剣城が受け止めるシーンにときめきました。この小説を作ってくださりありがとうございます (2022年5月23日 11時) (レス) @page49 id: 7d360b94a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キメラ | 作成日時：2022年2月3日 23時
