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流石に危ない、と手を伸ばしたらなるせさんはふわりと浮かんで大きな翼を背中から生やして、そのまま闇夜に消え去った。

部屋に残されたのは私と厄介なセンラさん。この状況をどうしてくれよう。お願いだから誰か助けて欲しい。切実に。


「あ、の、センラさん……」

「何?」

「その、今の人、お知り合いですか……?」

「ビクビク鬱陶しいなお前。知り合いやったら何やねん」

「い、いや……別に……」


怖い!怖すぎる!!
ただ部屋で二人、ぼうっと突っ立って居ても気まずいだけなので何となく話題を掲示すれば「何?」と睨まれる始末。なるせさんと知り合いなのかを問えば鬱陶しいと。ビクビクするこちらの気にもなって欲しい。何もしていないのに睨まれるわ凄まれるわ脅されるわ。散々なことをされたのだから彼に対する態度が怯えたものになるのも無理ないだろう。

そのまま立っているのも気まずいし、話し掛けるのも鬱陶しいと言われるので散らばってしまった花瓶の破片を一つ一つ音を立てないようにそっと集める。
幾ら植物だと言えども、一時の怒りに任せて投げられた花が可哀想だ。グチャグチャになってしまっているし、花弁は散り散りになっている。


「……なるせは昔からの友達や」

「へ?」


突如として頭上から降ってきたその声に素っ頓狂な声が出る。今は私の部屋にはセンラさんと私しか居ない。そんな状況であるのに私に話しかけてくる人なんて居ただろうか。
センラさんはまず有り得ない、と思ったが、顔を見上げると彼の冷たいトパーズと目が合ったので有り得ない事は無かった。
まさかのまさか、センラさんから話しかけてきたのだ。


「セン、ラさん……」

「別にお前は家畜のまんまやし、俺は認めへんけどな」

「……あ、あの!家畜のまんま何も変わらないなら、少しだけここから外に出たいんで─────」


その先を紡ごうとした瞬間、バァン!と音を立てて私の身体は壁に打ち付けられた。
あまりの痛みと衝撃に顔を歪め、思わず閉じていた目を開けば、そこには普段よりさらにトパーズを冷たくさせたセンラさんと目が合った。

死んでしまうのか、とそう思える程に彼の瞳は冷たくて冷酷だった。

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ちょこ - 終わってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます! (2021年6月8日 18時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
鎖座波(プロフ) - 皇咲鈴音さん» びっくりしました誰かと思いました笑 みかんさんありがとうございます!本当嬉しいです大好きです(;;) (2020年10月28日 23時) (レス) id: 9beb0497a0 (このIDを非表示/違反報告)
皇咲鈴音(プロフ) - すごい名前になってますがTwitterのみかんです( めっちゃめっちゃ内容好きです!! (2020年10月28日 22時) (レス) id: 72e21fad30 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃ(プロフ) - 物語の構成が好みすぎました!!更新おまちしております!!! (2020年3月27日 16時) (レス) id: c45d7c6a24 (このIDを非表示/違反報告)
鎖座波(プロフ) - nanaseさん» そのように言って頂き嬉しいです…!コメントありがとうございます!更新頑張ります…! (2020年3月8日 6時) (レス) id: 7dc015f2ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鎖座波 | 作者ホームページ:もう既に血が足りない  
作成日時:2019年10月19日 15時

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