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｢ば、ばーじん？｣
吸血鬼から告げられたvirginと言う言葉が分からずに首を傾げる。
何？virginって。
｢virginはvirgin。ショジョかどうかって意味だよ｣
｢しょっ、処女……！？｣
何のデリカシーもなくうらたさんから発せられた言葉に驚き半分、嫌悪感半分。
普通に考えたら高校生で処女じゃない人間の方が珍しいと思うからそんなの聞かなくてもいいじゃないか、と考えるが違った。
相手は吸血鬼。私たちの普通が通じなければ、その普通なんて知っている筈もなかった。
｢…何でそのvirginってのにこだわるんですか？｣
｢そんなのお前に関係ないやろ。人間は家畜なんやから俺らに質問なんかすんなや｣
｢センラ、ちょっとぐらい教えてやってええやん！｣
｢うっさいねん坂田！俺は人間嫌や言うてるやろ！ホンマに無理！｣
虫を見るような、汚物を見るようなそんな目でセンラさんがこちらを見てくるのが結構心に来る。
坂田さん、という吸血鬼は友好的に見える。だが他の三人は私のことをよくは思っていないのか見る目が冷たい。
｢virginにこだわるのは、そっちの方が血が美味いから。virginやと希少血の人間が居る可能性が高い。やから俺らは求めてる｣
virgin、だとか希少血だとか。訳の分からない単語をぽんぽんと出されても分からない。
virginの意味はともかく、今新たに出てきた希少血なんてものは全く分からなかった。
｢希少血、ってのは人間の中でも希少な血を持つ人間のこと。希少血は数万人に一人しかおらへん血やからなぁ｣
｢き、しょうち………希少血だったら、私はどうなるんですか？｣
｢希少血でもvirginでも残す方針は変わらねぇよ。どっちかって聞いてんだろさっさと答えろ｣
｢……うらさん、俺血吸って分かったけど、この人間｣
─────希少血やわ
ニヤリと口角を上げて笑う吸血鬼。
先程まで私の太腿を刺していた二本の牙が見えて私は萎縮して肩を上げてしまう。
その瞳は紫色に怪しく輝いていた。
｢じゃあ決定だから。人間、お前をここに生かして残すことにする。拒否権はナシ｣
突如として決められた私のこれから。未来。
ここにいなければならない、ということは私はこれから先普通の人間として生活するのが無理だということなのか。
そうだとするなら、こんな最悪な環境で一生過ごして行かなければならないのか。
紫と赤の笑顔に吐き気がした。
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ちょこ - 終わってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！ (2021年6月8日 18時) (
レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
鎖座波(プロフ) - 皇咲鈴音さん» びっくりしました誰かと思いました笑 みかんさんありがとうございます！本当嬉しいです大好きです（；；） (2020年10月28日 23時) (レス) id: 9beb0497a0 (このIDを非表示/違反報告)
皇咲鈴音(プロフ) - すごい名前になってますがTwitterのみかんです( めっちゃめっちゃ内容好きです！！ (2020年10月28日 22時) (レス) id: 72e21fad30 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃ(プロフ) - 物語の構成が好みすぎました！！更新おまちしております！！！ (2020年3月27日 16時) (レス) id: c45d7c6a24 (このIDを非表示/違反報告)
鎖座波(プロフ) - nanaseさん» そのように言って頂き嬉しいです…！コメントありがとうございます！更新頑張ります…！ (2020年3月8日 6時) (レス) id: 7dc015f2ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鎖座波
| 作者ホームページ：もう既に血が足りない
作成日時：2019年10月19日 15時
