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60.【番外編・続】まだ優しかったあの頃 ページ10
英智side
思わず目を見開いてしまった…
目の前にいたのはA。
そしてそのAは自分と同じ布団に入っていたのだ。僕のシャツを握り締め目尻に涙をためて…
握り締められていないもう片方の手で頭を撫でる。
そのとき扉をノックする音が聞こえ小さい声で返事をした。入ってきたのはAの世話係の久我さん
「あら、英智様！目が覚めたんですね。
あの後A様とレッスンをしていたところ…
A様が急に「やっぱり顔色が悪かった…」と
呟かれ慌てて出ていかれたのでどうしようかと迷っていると
泣き声が聞こえたので急いでそちらに向かうと英智様が倒れていたので吃驚しましたよ。」
どうやら僕は疲労で熱を出し倒れたらしい。
あの後ゆっくり休めと温かいココアを置いて部屋を去った。
「A…驚かせてしまってごめんね。
それと心配してくれてありがとう…君は優しいんだね」
僕はAに向き直り呟いた。
すると気のせいだろうか？少しAの口元が緩んでいた気がする。
-まだ優しかったあの頃 Fin-
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作者名：朔-さく- | 作成日時：2020年10月20日 0時
