【あんスタ！】朔-さく-【男主】Ⅱ (ページ9)

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59:【番外編】まだ優しかったあの頃ページ9

本当は本編に挟まないようにしたかったけどちょっとした気分転換に過去のお話を…

英智:4歳
A:2歳(3歳の誕生日前)
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-とある冬の日-

英智side

何気ない普段の日常生活。

いつものように天祥院の名に恥じぬよう勉強に勤しみ。かれこれ1時30分…

ずっと書き続けていると体が強張り手は痛んできた。

休憩として部屋を出て廊下から窓の外を覗いていると

「おにーちゃ！」

高く可愛らしいまだはっきりとは言えてないけれど確かに自分を呼ぶ声が聞こえ

下を見ると両手に熊の人形を大事そうに抱えてこちらを伺っている弟の姿があった。

『やぁ、A…

今は熊さんと一緒に遊んでいたのかな？』

目線を合わせながらそう問いかけると「うん！」と元気な返事が聞こえた。

20分程たっただろうか？そのまま僕たちは廊下で立ち尽くし話し込んでいた。

最近は忙しくかまってあげられなかったからAも嬉しそうに話してくれた。

だけどその時唐突な頭痛と目眩に襲われ膝をついてしまった。

目眩はすぐに治まったものの頭痛はなかなか治まらず蹲ったままの僕にAは何かを訴えていた。

僕はすぐに立ち上がり『大丈夫だよ。少し頑張りすぎたのかな？』そう笑って勉強があるからと部屋に戻った。

頭が割れるように痛い、そして体が寒い。僕はこの感覚を良く知っている。熱が出てきたときと同じ苦しみ。

だけど今回はいつもより酷いのか僕は気付いたら

体を強く床に打ち付けていた。

最後に見たのは時計が3時を指していたこと。僕は意識を手放した。

くすぐったい。そう思いふと固く閉ざしていた瞼を開けるとまず最初に

暗い部屋が目に入った。夜だ。僕は自分が3時頃まで起きていたことを思い出し少なくとも

3、4時間は寝ていたことに気付き勉強をしなければと思い

体を勢い良く起こしたがすぐに視界は薄暗い天井を写した。

体調はだいぶマシになった、が…
体が怠い。気持ち悪い、そう思った。

もう一度寝よう、そう思い不意に腕を動かしたとき

自分のおでこに何かが貼ってあるのとｸﾝｯと自分の腕を引っ張る感覚を感じた。

おでこに貼ってあるのは冷えピタだろうか？どうりで先ほど比べて楽になっていた。

するとまたさっきのくすぐったさが襲ってきてそちらに目を向けると目の前には

ふわふわとした軟らかそうな深い青色が見えた。