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「…珍し」
「…はずかし、」
二人して笑い合える幸せ
昼休みが終わっても、彼はまた午後の授業をサボってしまう
そんな彼を叱れない私も教師の卵として情けないなって思うけど、
“一緒にいたい”という気持ちには勝てなくて、
誰にも気づかれないように、二人で机に伏せて眠りについた
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そんな幸せな毎日も、終わりになる
教育実習最後の日
夏に近づく風の香りが鼻を掠めた快晴で、
私の気持ちもどこか晴れ晴れとしていた
「Aちゃん！」
「�霤沈菁據�一ヶ月間お世話になりましたっ！」
「お疲れ様やなぁ、あっという間やったな、
結構楽しかったやろ？」
「はいっ、すっごく楽しかったです」
�霤沈菁擇醗柄阿茲蠅盂擇靴�話せるようになった
いつも私の心の中には先輩の彼女の存在が引っ掛かり、心から楽しんで先輩とお話なんて出来てなくて、
それでも今となっては私も重岡くんをちゃんと好きになれたから、
こうやって本物の笑顔で先輩と接する事ができる
体育館で最後の挨拶をした時、涙を流してくれる生徒も多くいて、
思わず私まで泣きそうになったりしたけど、
そんな私を舞台下からクスッと笑って見てくる重岡くんがいたから、
悔しくてジトッと睨みつけてやった
「成瀬先生！文化祭遊びに来てな！」
「うん！行く行く絶対行く！」
「成瀬先生！私先生のおかげで古典好きになれたんよ、ほんまにありがとう！」
「本当っ、それ凄く嬉しい、これからも頑張ってね！」
放課後、職員室にはたくさんの生徒が集まり、
こうやって囲って口々に言葉をくれる
嬉しくて、一人一人と写真を撮るのも学生に戻った気分でワクワクしたりして、
連絡先の交換もしたり、たくさんのお手紙を貰ったり、
教師という職業は素敵なものだと、胸を熱くさせていた
その大勢の生徒たちが帰っていっても、一番来て欲しい彼は姿を現さなかった
あそこにいるのだろう、そう思って図書室へ向かっても、
キィ…と開かれた扉、その中に人影は一つもなかった
「…なんだよ、重岡くんのくせに」
なんだか寂しくて足早に職員室に戻る
すると先生方からの教育実習生の送別会をやろうという提案があがり、それに私は乗っかった
スーツで行きたくはなかったから一度帰ろうと、
私は一人で先に帰る事にして、荷物を持って昇降口に向かった
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りぃな - 何度読んでも、涙が止まらない…最後の最後まで泣きっぱなしでした。とても綺麗なお話だなと思いました！桜さんが書くお話、大好きです！ (2020年12月21日 23時) (
レス) id: fbf75e46eb (このIDを非表示/違反報告)
ななこ - 三回ぐらい泣きました。小説でこんなに泣いたのは久しぶりでした。読んでいるだけで、その場面が想像できてとても感動しました。これからも楽しみにしています。 (2020年3月13日 17時) (レス) id: af202158c4 (このIDを非表示/違反報告)
なつき - 最後まで涙が止まりませんでした。ほんまにめっちゃ素敵なお話でした。これからも楽しみにしてます！ (2018年4月9日 16時) (レス) id: ebe0082db9 (このIDを非表示/違反報告)
ひまり(プロフ) - 占ツクでのコメント初めてで恐縮です。本当に本当に綺麗なお話でした。個人的には最後の授業の場面で和歌での会話が1番胸打たれ、思わずメモしてしまいました。桜さんのこれからのご活躍心からお祈りしてます。頑張ってください！！ (2018年3月31日 2時) (レス) id: c01e6017ae (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - とても感動しました もし良ければ続編など書いて頂きたいです!! 桜さんの作品、本当に大好きです いつも読んだ後は 素敵な恋愛映画をみた後の様な気持ちになれます これからも楽しみにしています!! 頑張ってください（＾＾） (2017年4月6日 16時) (レス) id: 868e94a9c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜
| 作成日時：2016年5月21日 0時
