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「ただいま帰りましたぁ！」
「おーう、大毅おかえりっ！
ちょっと人手足りひんねん、着替え終わったら手伝ってくれへんかな！」
「すぐ着替えてきますっ！」
お店では照史くんでもおじさんに敬語を使っていた
店長には敬語を使うのが、ここの掟
金曜ということもあり、まだ夕方なのに大賑わいな店内
慌てて着替えて店の手伝いを始めた時、
「だってさァ！！」
「あーもうっ、うるさいっ！」
注文を受けた生ビールを注いでる時に聞こえた、その声
俺の大好きな、せんせーの声
息が止まるようだった
知られたくない、知られたくない、
ここで働いている事も、家族がいない事も、
知られたくない、せんせーには俺のそんなところ、
知られたくないんや
なんでここにおるねん
なんで、なんで、って、目が泳いでいるのも自分でわかるほど、目の前が揺れて見えた
なのに無意識に酔っ払いなせんせーの声に耳を傾けていて、
心臓がまたドクドクと脈打った
「…だってさぁ、古典が一番苦手なんだよ？」
「…ん？んー、うん」
「まさかさぁ、もっと知りたい！もっと知りたい！
…なんてさぁ、嬉しい言葉…くれると思わないじゃん？ねえミカ…ミカちゃーんっ！」
「ははっ聞こえてるよっ、」
“俺の事だ”
すぐにわかった
嬉しかった、酔っ払って曝け出されたせんせーの気持ち
ずっと俺に怯えているのだと思ってた
�霤弔擦鵑察爾悗竜せ�ちを唯一知ってる俺に逆らえないと思って、嫌々毎日図書室に来てくれてるんだと思ってた
それでも少しずつその心の壁が壊せたらええなって、
呑気にそんな事を思っていたから
「ちょっ、大毅ビール溢れてるっ！」
「…ああっすみません！すみませんっ！
作り直します！金も払いますっ！」
「アホかぁお前！そんな金ないやろっ！はははっ」
照史くんは大きく笑って「気にせんでええからはよ持って行き」と言って、焼き鳥に顔を戻した
そんな照史くんに一つ頭を下げて、注文を受けたビールをその人の元へ運び、
体を起こした時に、せんせーの姿を探してみた
「…せんせ、」
すぐに見つけた、顔を赤くさせて酔っ払うAさん
そのお友達さんは困ったように笑いながら、
Aさんの言葉にうんうんと、優しく応えてあげていた
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りぃな - 何度読んでも、涙が止まらない…最後の最後まで泣きっぱなしでした。とても綺麗なお話だなと思いました！桜さんが書くお話、大好きです！ (2020年12月21日 23時) (
レス) id: fbf75e46eb (このIDを非表示/違反報告)
ななこ - 三回ぐらい泣きました。小説でこんなに泣いたのは久しぶりでした。読んでいるだけで、その場面が想像できてとても感動しました。これからも楽しみにしています。 (2020年3月13日 17時) (レス) id: af202158c4 (このIDを非表示/違反報告)
なつき - 最後まで涙が止まりませんでした。ほんまにめっちゃ素敵なお話でした。これからも楽しみにしてます！ (2018年4月9日 16時) (レス) id: ebe0082db9 (このIDを非表示/違反報告)
ひまり(プロフ) - 占ツクでのコメント初めてで恐縮です。本当に本当に綺麗なお話でした。個人的には最後の授業の場面で和歌での会話が1番胸打たれ、思わずメモしてしまいました。桜さんのこれからのご活躍心からお祈りしてます。頑張ってください！！ (2018年3月31日 2時) (レス) id: c01e6017ae (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - とても感動しました もし良ければ続編など書いて頂きたいです!! 桜さんの作品、本当に大好きです いつも読んだ後は 素敵な恋愛映画をみた後の様な気持ちになれます これからも楽しみにしています!! 頑張ってください（＾＾） (2017年4月6日 16時) (レス) id: 868e94a9c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜
| 作成日時：2016年5月21日 0時
