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だからさ、せんせ、
俺運命やと思ったんだ
あの雨の日から二年、壇上にあがるせんせーを見た時、
時が止まったかのように、俺は息をするのも忘れてた
校長に頼んで教育実習生を校長室に集めてもらった
やっと会える、やっとお礼が言える、
後悔を晴らして、やっとAさんを悲しみから解放させる事ができる
そう思ってた
俺と顔を合わせても、Aさんは“初対面”だと思っていた
どれだけ彼女を見つめても、俺の事なんて覚えていない
あの日の事は忘れたかったのかもしれない
泣いた日の事など、その悲しみごと消えて無くなるように、思い出さないように
“大丈夫、俺が忘れさせてあげます
Aさんの苦しみも悲しみも、俺にください
代わりに俺の優しさをあげます、あげますから”
そう思い、彼女を見つめても、
不思議そうに首を傾げるだけ
だから俺も同じように首を傾げてみた
なあ、せんせ
俺その時初めて気づいたんや
ああ、これが恋なんやって
照史くんの言葉通りやった
校長室で二年振りに顔を合わせても、やっぱりあなたはどこか苦しげで、
職員室で�霤弔擦鵑察爾範辰靴討い觧�は本当に幸せそうで、
けど�霤弔擦鵑察爾隆�に飾られているあの写真を見て、Aさんは酷く悲しんでいたのも知ってます
そんなせんせーを助けたいと思った
守りたいと思った
あの家に帰っても、目を閉じればせんせーが浮かぶから
せんせーが古典の担当だと知り、せんせーが好きなその古典を少しでも知りたくて図書室で古文の本を探していた
驚いたな
誰もこないから好きだったこの空間に、せんせーが来たんだもん
嬉しかった、仲良くなれると思った
このまま話していたら、2年前のことも思い出してくれて、
素直にあの日言えなかった“ありがとう”が言える気がして
なのに、やっぱりせんせーは覚えてない
むしろ俺の事なんかより、
俺が惹かれるように手に取ったその本ばかりを見つめてた
なんだか悔しくてそれを顔の方に寄せれば、簡単にせんせーの目を捉える事ができた
「俺、無視は嫌いですよ」
「そういうつもりじゃ、」
「いーや、完全に無視やったもんね」
「…それ、重岡くん読むの？」
「……、」
「…重岡くん？」
俺の事は忘れててもいい、そう思った
それでも、俺は特別になりたかった
せんせーが、欲しいと思いました
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りぃな - 何度読んでも、涙が止まらない…最後の最後まで泣きっぱなしでした。とても綺麗なお話だなと思いました！桜さんが書くお話、大好きです！ (2020年12月21日 23時) (
レス) id: fbf75e46eb (このIDを非表示/違反報告)
ななこ - 三回ぐらい泣きました。小説でこんなに泣いたのは久しぶりでした。読んでいるだけで、その場面が想像できてとても感動しました。これからも楽しみにしています。 (2020年3月13日 17時) (レス) id: af202158c4 (このIDを非表示/違反報告)
なつき - 最後まで涙が止まりませんでした。ほんまにめっちゃ素敵なお話でした。これからも楽しみにしてます！ (2018年4月9日 16時) (レス) id: ebe0082db9 (このIDを非表示/違反報告)
ひまり(プロフ) - 占ツクでのコメント初めてで恐縮です。本当に本当に綺麗なお話でした。個人的には最後の授業の場面で和歌での会話が1番胸打たれ、思わずメモしてしまいました。桜さんのこれからのご活躍心からお祈りしてます。頑張ってください！！ (2018年3月31日 2時) (レス) id: c01e6017ae (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - とても感動しました もし良ければ続編など書いて頂きたいです!! 桜さんの作品、本当に大好きです いつも読んだ後は 素敵な恋愛映画をみた後の様な気持ちになれます これからも楽しみにしています!! 頑張ってください（＾＾） (2017年4月6日 16時) (レス) id: 868e94a9c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜
| 作成日時：2016年5月21日 0時
