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学校から一番近いコンビニに到着すると、自動ドアを潜って早速お菓子コーナーを散策する。
チョコレートにキャンディにポテトチップス。味の種類も豊富に陳列された棚を舐め回す様に見渡してながら数分迷った挙句、結局候補に無かった少々高額なマシュマロを購入する事に決め、カゴに入れた。
会計の為にレジに並び、ふと出入り口に置かれたビニール袋を販売しているコーナーに目をやれば、やはり突然の雨で傘を購入した人が多かったらしく、傘は既に完売していた。
…相川君が傘を貸してくれなかったら、私は家に着くまでにずぶ濡れになっていただろう。
(…相川君、マシュマロ好きかな。
まふまふっていう渾名に因んで選んだなんて言ったら怒られるかな。)
なんて心配する割には、それをネタに少しは仲良くなれないかなんて考える私は狡いだろうか。あわよくば、私も彼と渾名で呼び合う様な仲になれたらなんて、貪欲過ぎるだろうか。
悶々と考えている内に自分の順番が回ってきて、手短にお会計を済ませると、買ったものが雨に濡れてしまわない様にレジ袋に包んだまま鞄の中へとしまった。そして、そのまま相川君から借りた折り畳み傘を取り出して、帰路に着こうとした時だった。
「…相川、君？」
「……え。」
ぴちゃり、と髪の毛から滴を落としながら、ずぶ濡れの彼はそこに立っていた。
「なんで、濡れてるの？お迎え来てもらったんじゃ…まさか、私に傘貸す為に嘘ついたの？」
何も言わない相川君。その沈黙を肯定と受け取った私は、凄まじい勢いでコンビニ内に引き返して、真っ白なタオルを購入すると、有無を言わせず店舗前で待っている相川君の頭に被せた。
この距離だからか、髪が濡れてしまっているからか、彼のシャンプーの優しい香りが鼻を掠めた。
「…え？、ええ！？まって、タオル濡れちゃうよ…！？」
一方、タオルを被せられた彼は慌ててそれを引き剥がすと、私に押し付けてきた。…いやいや何してんの？
「拭くために買ったんだから濡れていいの！風邪引くから早く拭いて！」
「いや、でも…！じゃあ、僕お金払うから！！いくらだった！？」
「もう、私のせいで濡れてるんだから要らないよばか！！」
一向に折れない彼に痺れを切らして、押し付けられたタオルを広げ、そのまま正面から彼の髪に乗せた後、わしゃわしゃとお風呂上がりの自身にするように彼の頭の水分を吸い取ろうと試みた。
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