大好き。07 ページ8
「失礼します!!」
「……!?」
自分なりに元気よくシュウの部屋のドアを開けた。
「なな、A、その格好は？」
シュウが指す「その格好」というのは、
きっとこのナース姿と救急箱のことだろう。
「あのねー、ヒロト兄に貸してもらった」
「な、なんで……!?」
椅子に座るシュウの前に立つと、首にかけていた聴診器を手に取る。
「だってシュウが病気だって言うから」
「病人は狩屋くんだよ」
「ヒロト兄にマサキには近づくなって言われた」
私の発言にシュウは言葉を詰まらせた。
「じゃあ心臓の音聴くから服めくって」
「そこまで徹底的にするのっ？」
「嫌だ」と聞かないシュウを見て、仕方なく「じゃあ服の上からでもいいよ」と断念。
心臓の音を聴いてみたいだけだし。
「じゃあ失礼します」
椅子に座ってるシュウと立っている私とじゃ距離が違い過ぎて、届かない。
「んん？」と唸りながらシュウが座っている椅子に膝を乗せた。
「A、近い」
そんなシュウの言葉を無視して耳に集中をかける。
シュウの鼓動は速くて、
でも何か心地がよかった。
「シュウ速いね〜」
私が動く度に速くなっていってる気がする。
( ドッドッドッドッ…… )
「A、やめて..」
「んー」
「ほんと、やめて」
肩を掴まれて引っぺがされる。
シュウは俯いて、なにも言わなかった。
「……ごめん」
シュウが怒ってる気がして、なんとなく謝る。
シュウと喧嘩はしたくないし、したことがない。
「A、僕たち少し距離をとろう」
なんかそれって、
別れ話みたいで。
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 178人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蓮(プロフ) - なんかもう作者さん大好きです。このシリーズの中で一番好きなのはこれと黄名子ちゃんのです。夢主代わってくれと何度思ったことか………作者さん文才がありあまってますね。羨ましいです。これからも頑張ってください！(何を) (2016年10月10日 2時) (
レス) id: fde5658c77 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 関係ない話だしどうでもいいことなんですけど...1ページのところで、「負けた、人肉まん、奢り」という謎の文章が思い浮かんでしまった...でも、この小説のシリーズは大好きです (2016年4月13日 17時) (レス) id: dfefbd7929 (このIDを非表示/違反報告)
佐倉 照：Re(プロフ) - 倉基 杏さん» 僕はマサキもシュウも同じくらい好きなので両方の気持ちになって書いてましたwありがとうございます＾＾ (2015年4月1日 22時) (レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
倉基 杏 - 個人的に狩屋のが好きなのでそちらに情が移ってしまいました((笑 とても面白かったです！これからも頑張ってください^ ^ (2015年4月1日 13時) (レス) id: 2925a1fd16 (このIDを非表示/違反報告)
佐倉 照：Re(プロフ) - 十六夜 咲夜さん» ありがとうございます＾＾そう言っていただけて嬉しいです！ (2015年3月30日 20時) (レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
