Masaki's side. ページ14
「ごほっ、ごほっ、……うえっ」
( あー、辛い )
風邪なんて滅多に引かない。
倒れたのだって初めて。あの時すごく目が回って辛かったのは覚えてる。
みんな全然来てくれないし、(うつるから当たり前だけど)
来てもヒロト兄とかリュウジ兄とかだし、
学校行きたい、つまらない、死にそー。
「狩屋くん、入るよ」
……なんて思ってたら誰か来た。
多分この声は、シュウ。
扉が開いて現れたのは、案の定シュウだった。
「ん、どうした？」
「うん、学校の配られもの」
「あー、ありがと……」
意外とどうでもいいことで、再び横になる。
俺を気遣ってか、シュウはそれだけを置いて、もう出ようとしていた。
( 薄情者が、 )
「シュウさ」
少し、悪戯をしてみたくなった。
昔の、霧野先輩相手、みたいに。
「あれ、わざとだろ？」
「……なにが？」
「ドアにぶつかったのは俺の位置的関係だったと思うけどー……
出て来たのは、わざとだよね？」
あの時、いいタイミングでシュウが出て来た。
きっと、俺とAの声が聞こえていたんだろう。
シュウは少し戸惑って、「違うよ」と否定した。
シュウ、
お前っていい奴だけど、逃がしてなんかやらねーよ。
「Aに手を出しそうで怖い？」
「……」
「そんなのんびりしてると、俺がとっちゃうから」
Aは気づいていないだろうけど、
シュウはAを大切に想っている。
それ故に、壊してしまいたい、とも。
「……いいよ」
薄情者で傲慢で、嘘つきなシュウ。
ただ馬鹿で気づかないA。
幼馴染というラインを引いて、境界線を越えようとしない。
「じゃあ、俺のものにしーよお」
シュウは目を閉じて、
俺の部屋を出た。
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蓮(プロフ) - なんかもう作者さん大好きです。このシリーズの中で一番好きなのはこれと黄名子ちゃんのです。夢主代わってくれと何度思ったことか………作者さん文才がありあまってますね。羨ましいです。これからも頑張ってください！(何を) (2016年10月10日 2時) (
レス) id: fde5658c77 (このIDを非表示/違反報告)
杏 - 関係ない話だしどうでもいいことなんですけど...1ページのところで、「負けた、人肉まん、奢り」という謎の文章が思い浮かんでしまった...でも、この小説のシリーズは大好きです (2016年4月13日 17時) (レス) id: dfefbd7929 (このIDを非表示/違反報告)
佐倉 照：Re(プロフ) - 倉基 杏さん» 僕はマサキもシュウも同じくらい好きなので両方の気持ちになって書いてましたwありがとうございます＾＾ (2015年4月1日 22時) (レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
倉基 杏 - 個人的に狩屋のが好きなのでそちらに情が移ってしまいました((笑 とても面白かったです！これからも頑張ってください^ ^ (2015年4月1日 13時) (レス) id: 2925a1fd16 (このIDを非表示/違反報告)
佐倉 照：Re(プロフ) - 十六夜 咲夜さん» ありがとうございます＾＾そう言っていただけて嬉しいです！ (2015年3月30日 20時) (レス) id: bb3e171dee (このIDを非表示/違反報告)
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