２訓 ページ2
ｼｭ…………ｼｭ…………
「おぉっ…この墨の磨り心地好みだ。今日はこっちの硯を頂こう！」
『ありがとうございます♪それにしても…土方さん磨るの相変わらずお上手ですね…墨を優しく磨れる方は人にも優しいという言い伝えがありますがその言い伝えは本当ですね♪』
「ははっ！磨り方でそんな褒められるなんてな……Aは俺にゴマ磨りしてるのか？」
『土方さんはいつも優しいのでゴマ磨りではなく本心ですよ♪』
柔らかい笑顔とこの心地良い空間……本当に癒される
血生臭い場所に身を置く俺にとって癒されるAの存在はかけがえのないものになっている
墨を買い求めるだけなら屯所近くの書道用品店で事足りるってのに………わざわざ非番の日にこの遠い地まで赴くのはAに会いてぇからだ。
「俺が優しいのは………Aにだけだぜ」
『えっ…』
Aの顔がみるみる紅潮していく………本当はまだ伝えるつもりはなかったんだが………
「Aといると癒される………もっと近い関係になりてぇ。」
『そ…それはどういう意味で………』
「俺はこの店の常連客のままでは嫌だと言うことだ………つまり………」
硯を片付けようとしていたAの小さな手に触れ握るとと少し体が揺れた
ｶﾞﾗｯ
「すみませーん！！」
別の客人が店に入ってきたから握っていた手がパッと離された
『す、すみません土方さん…別のお客さまがいらしたので対応してきます！』
俺の気持ちを伝えようとしたがタイミング悪くパタパタと小走りで客の元へと向かったA………
また庭を眺めながら待つことにした。庭の
さっき言っていたあの人とは一体誰なのだろうか………聞くのは野暮だと思っていたが蒲公英を見るたび思い出してしまいそうだ。
思いきって聞いてみるか………？
『すみません土方さん…お待たせしました！』
客人が帰ったのかAが再び戻ってきた。立ちながら庭を眺めていた俺の横に来た………
「なぁ………蒲公英を植えた理由のあの人って誰なんだ？」
『えっ………そ、それは……』
Aは一瞬悲しそうな表情になったあといつもの笑顔を向けてきて……
『………昔の……恋人です。まだ……忘れられなくて………』
そう言うと笑ってるが目はどんどん○んでいった………
その姿があまりにも儚げで自分の腕の中に抱き寄せた
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Zoo(プロフ) - なんぱんさん» なんばんさん初めまして(///ω///)♪すごく嬉しいお言葉ありがとうございます！！更新頑張りますのでこれからも読んでいただけると嬉しいです*.ﾟ+ヽ(○･▽･○)ﾉﾞ +.ﾟ* (2020年6月17日 23時) (
レス) id: b2f3d14e7d (このIDを非表示/違反報告)
なんぱん(プロフ) - 初めまして。Zooさんの作品の土方さんが本当に好きですT T続き楽しみにしてます!更新無理のない程度で頑張ってください〜! (2020年6月17日 21時) (レス) id: e422bd51e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Zoo | 作成日時：2020年6月10日 23時
