１訓 ページ1
非番の日………電車に乗り隣のそのまた隣街の川のほとりにある書道用品店へと向かう
主に墨の取り扱いに長けているが
小ぢんまりした店内には筆や硯も綺麗に陳列していて、ここに来たら書道用品なら何でも揃う知る人ぞ知る名店………それが
ｶﾞﾗｯ………
「おう。やってるか？」
『土方さん！いらっしゃいませ♪』
店に入って一番奥までいくとこの店の女店主Aが帳簿を書く手を止めて俺の方を向いて笑った
「いつもの墨頼む。あと………新しい硯も見繕ってほしいんだが。」
『かしこまりました！いつも御贔屓誠にありがとうございます♪それではいつもの席でお待ちください』
いつもの席というのはカウンター横にある小さな応接間のことだ。常連の俺の特等席。
『お飲み物なにがよろしいですか？あっ、そうだ♪今日桃の紅茶を頂いたんですがいかがですか？』
「ほぉ桃の紅茶か…珍しいな！飲んでみてぇ。いつも悪ぃな！」
『いえいえ♪』
柔らかい笑顔を崩さないまま茶の準備をするA………この笑顔はとても癒されるがほんの少し悲しみが伝わってくる……その理由はわからねぇ。
「お待たせしました♪熱いのでお気をつけて…」
応接間のテーブル上に置かれた湯飲みから桃の柔らかい香りがする………柔らかい優しい甘さで反甘党の俺でもこの甘さなら美味しさを感じた
応接間は縁側のついた窓際にあるため風が入ってきて気持ちがいい………紅茶をある程度堪能したら立ち上がり綺麗に手入れされている庭を眺めた
『お待たせしました♪土方さん？…庭になにかありました？』
「
『はい…もう初夏ですね♪』
庭の角一面に蒲公英がまとまって咲いている
「好きな花は蒲公英なのか？」
『………はい！あの白い綿毛の為だけに植えてるようなもんですけど』
「綿毛飛ばすためか？ﾌｯ…結構子供っぽい所あるんだな」
『それも楽しみですが………白いフワフワを見てるとあの人がいる気が………あっ！なんでもないです。………ご所望の墨と硯を何点か持ってきましたので確認お願いします♪』
あの人………？
それがどこの誰か非常に気になったが、話を反らされた手前聞くのは野暮ってもんだ
言われた通りに墨と硯を手にとり椅子に腰掛けた
Aは少し庭の蒲公英に目を向けてたがすぐにいつもの笑顔に戻り俺の向かいに座った
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Zoo(プロフ) - なんぱんさん» なんばんさん初めまして(///ω///)♪すごく嬉しいお言葉ありがとうございます！！更新頑張りますのでこれからも読んでいただけると嬉しいです*.ﾟ+ヽ(○･▽･○)ﾉﾞ +.ﾟ* (2020年6月17日 23時) (
レス) id: b2f3d14e7d (このIDを非表示/違反報告)
なんぱん(プロフ) - 初めまして。Zooさんの作品の土方さんが本当に好きですT T続き楽しみにしてます!更新無理のない程度で頑張ってください〜! (2020年6月17日 21時) (レス) id: e422bd51e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Zoo | 作成日時：2020年6月10日 23時
