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「おい!! 裏口ぶっ壊したヤツ誰だよ!!」
出勤して仕事の準備をしていると、ジフンが怒鳴りながらやってきた。
どうやらたまたま、裏口付近を歩いていたらそれに気づいたらしい。
あ、昨晩の事、父に言うの忘れてたわ。
知らんぷりをする。
そういえば、わたしたちもアンドロイドの開発に携われたんだから、そろそろメンテナンスの仕方も学んでいいよね。
ミンギュに万が一の事があれば、わたしが治療してあげられるし……。
父が多分そのファイル持ってるだろうから、借りてこよう。
「所長室に行ってくるね〜」
わたしは隣にいるウォヌにそう言うと、部屋から出て行こうとした。
「A」
しかし、それを引き止めるウォヌ。
振り返ると、意味深な目を向けていた。
初めてそんな目を見たので、ドキっとした。
「どうしたの?」
「この前話してくれた男性の事なんだけど」
「ああ……」
どうやらその事が気になっていたいみたい。
話しといて、その後の事を言わないのは有り得ないよね。
でも、なんて言えばいいのか……。
「……わたしが考え過ぎていただけなのかもしれない。ウォヌの言った通り、世の中にはたくさんの人間がいて、その中にたまたま彼のような人がいただけって話だよね。彼は彼なのにね」
「そうか。そう考えられたならいい」
「うん。ありがとうね。……じゃ、また後で!」
わたしは今度こそ部屋から出た。
正直に、彼はアンドロイドでしたー、だなんて言える訳ないもん。
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作者名:菜々子 | 作成日時:2019年5月15日 11時