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#45 ページ45

「おい!! 裏口ぶっ壊したヤツ誰だよ!!」



出勤して仕事の準備をしていると、ジフンが怒鳴りながらやってきた。

どうやらたまたま、裏口付近を歩いていたらそれに気づいたらしい。

あ、昨晩の事、父に言うの忘れてたわ。

知らんぷりをする。

そういえば、わたしたちもアンドロイドの開発に携われたんだから、そろそろメンテナンスの仕方も学んでいいよね。

ミンギュに万が一の事があれば、わたしが治療してあげられるし……。

父が多分そのファイル持ってるだろうから、借りてこよう。



「所長室に行ってくるね〜」



わたしは隣にいるウォヌにそう言うと、部屋から出て行こうとした。



「A」



しかし、それを引き止めるウォヌ。

振り返ると、意味深な目を向けていた。

初めてそんな目を見たので、ドキっとした。



「どうしたの?」

「この前話してくれた男性の事なんだけど」

「ああ……」



どうやらその事が気になっていたいみたい。

話しといて、その後の事を言わないのは有り得ないよね。

でも、なんて言えばいいのか……。


「……わたしが考え過ぎていただけなのかもしれない。ウォヌの言った通り、世の中にはたくさんの人間がいて、その中にたまたま彼のような人がいただけって話だよね。彼は彼なのにね」

「そうか。そう考えられたならいい」

「うん。ありがとうね。……じゃ、また後で!」



わたしは今度こそ部屋から出た。

正直に、彼はアンドロイドでしたー、だなんて言える訳ないもん。

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作者名:菜々子 | 作成日時:2019年5月15日 11時

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