息をしてみたい (ページ24)

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#24 ページ24

「終わらんやん、こんなん」

疲れ果てたわたしは、出るはずもない方言が出た。

設計図を書いているのだけど、あまりにも複雑で難しすぎて早くも心が折れそうになる。

こんなのを父は、父たちはこなしていたんだ。

素直に尊敬する。

一旦、頭をリセットするために今日は帰宅。

もう当たり前のようにミンギュが迎えに来てくれる。

「疲れた目には温かいタオルがいいんだよ」

わたしがソファーに座っていると、ミンギュは温かいタオルをくれた。

「ありがと～。助かる」

わたしは彼の手を握ってそう言うと、それを目の上に当てる。

本当だ……少しずつ、癒されていく……。

そしてご飯を食べ終え、お風呂に入る事にした。

「ミンギュ～。お風呂入ってくるよ～」

食器の洗い物をしている彼にそう言うと、わたしは脱衣所へと向かった。

「……ここまでしてくれたのかな」

服を脱ぎ、下着姿になった所でバスタオルを取ろうとすると彼がバスタオルを棚の上にしまっておいてくれてたらしい。

しかし……わたしの身長ではつま先を手を伸ばしてもギリギリ届かない。

まあ、彼の背丈くらいならこの高さも余裕なんだろうけどさ。

裸も同然の姿で、背を伸ばしているなんて滑稽(こっけい)な……。

「っしょ、おおおおっ！？」

小さくジャンプしてみたら届きそうだったから飛んでみたら……見事にバランスを崩した。

足首を捻り、そのまま床に倒れこみそうになった時。

「気をつけなよ」

間一髪、ミンギュがわたしの上半身を抱えて頭を打つのを阻止してくれた。