息をしてみたい (ページ17)

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______Side

急いで彼を逃してしまったから、GPSを付けるのを忘れていたが、生命反応はまだ出ているから今もどこかで生きているはずだ。

どうか生き延びてほしい。

彼が望んでいた自由を手に入れるんだ。

『スンチョルヒョン。手術を受ければ、俺は自由ですか？自由になれますか？』

まだ幼かった時の彼が脳裏に浮かぶ。

俺はずっと後悔していたんだ。

上に言われるがまま、彼に酷い事を……。

「……行かなくては」

俺はタブレットをしまい、応接間で待たせているコ・ハジュン議員の元へと向かった。

「お待たせ致しました」

「ああ、スンチョルくん。待っていたよ」

「すみません」

俺はハジュン議員の前に座った。

まさか、国絡みで彼の事を開発していたとは誰も想像がつかないだろう。

例の計画を提案したのは、この人だという事も。

「どうだい。彼は見つかりそうかね」

「……すみません。検討もつかないんです」

「アレが世に出たら、どうなるか分かっているのか？」

あからさまに不機嫌な表情のハジュン議員。

「分かっております。部下も寝ずに探してくれているんです」

「全く。……まさか、ワザと逃したとは言わないだろうな？」

「それは絶対にありません。今回は、我々の管理が行き届いておりませんでした。完全にこちらのミスです」

この人は変に鋭いから、気をつけなければいけない。

「わたしの出世もかかっているんだ。ヤツが見つからなければ、出資も考えさせてもらう」

「……早急に見つけますので。お待ちくださいませ」

そんな事はどうでも良かった。

俺は……どこで道を間違ってしまったのだろう。