今日:6 hit、昨日:3 hit、合計:24,236 hit
小｜中｜大
#45ジョンハン ページ45
それから4年後。
大学に進学していたAの卒業式に俺たち家族は来ていた。
あの日……4年前にAはうちに養子として入ることで、再び家族になったのだ。
両親は年甲斐もなく、妹の卒業に浮かれている。
Aは卒業後、大手企業に入社して社会人になる予定だ。
「A。改めて卒業おめでとう」
俺がそういうと、両手いっぱいに花束を持ったAは「ありがとう」と笑顔を向ける。
「これから沢山恩返しするからね。お母さん、お父さん」
「ふふ。楽しみに待ってるわ。その前に家族みんなで卒業旅行に行きましょうね！」
「そうだな。どこに行きたいかとか、決めておくといい」
「気が早いね。2人とも」
楽しそうに笑うA。
「そうだ」と急に妹は何か思い出したように目を大きくさせる。
「みんなに紹介したい人がいるの」
嫌な予感。
それは両親も悟ったようで、目を輝かせた。俺は目の色を消す。
Aはその場で誰かに電話を掛けると、通話相手が姿を現した。
そして、その人物を見て俺はうんざりとした顔をする。
「初めまして！ キム・・ミンギュです！」
「2年前からお付き合いしているミンギュさん。彼とは結婚を考えているの」
少し頬を赤らめ、恥ずかしそうにミンギュを紹介するA。
「ジョンハン兄さん。兄さんとは義理の兄弟になるってことかな……？」
恥ずかしそうだけど、嬉しそうにそういうミンギュ。
お前ら、いつの間に……！
「絶対認めねえ！！」
俺の渾身の叫び声がその場に響いた。
END
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 175人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：菜々子
| 作成日時：2022年11月22日 19時
