童子切の刀 (ページ19)

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鬼が15匹ページ19

髭切side

春になったとはいえ、まだ少し肌寒い。

こういうときは布団の中が一番だね。

布団にくるまり暖まっていると、縁側の方から二人分の足音が聞こえてきた。

音の主は源氏の部屋の前で止まり、間もなく障子を叩いた。

「兄者、朝餉だ」

「入るよー。髭切、おはよう」

どうやら弟丸と童子切がやって来たらしい。

布団からは出ずに、体を向ける。

「おはよう、二人とも。今日は少し肌寒いね。」

「うん、そうだねー。とりあえず、布団から出てー」

童子切は普段は抜けているように思えるけど、安綱の長女ということもあってか、やはり手強いね。

それでも少し渋っていると、弟丸が言った。

「兄者、今日の朝餉は姉者が燭台切たちと作ったものなんだ。」

「そうだよー。冷めないうちに食べない？」

それを持ち出されてしまっては、起きないわけにはいかない。

体を起こし、片付けやら着替えやらを始める。

「準備をするから、待っててくれるかい？弟丸、童子切」

「兄者っ！！俺は膝丸だ！」

「うん、待ってるからゆっくりね。肘丸、縁側で話してよー？」

童子切が開けた障子の先からは、少し寒さは残るものの、春の風と桜の花弁が舞い込んできた。

ふと思った。

______また、皆で昔のようにいたいね

「ありがとう、膝丸、童子切」

「肘丸、こっちー」

「兄者っ、姉者っ！！」