鬼が12匹 ページ16
童子切side
宴が始まってどのくらい経っただろうか。
でもまだそんなに経っていないのだと思う。
なのに、何故だろう。
「あそこの人たち、酔いすぎだねー」
日本号と次郎太刀を始め、お酒好きな人たちは勿論、巻き込まれた人までいる。
下には雑魚寝している人たちが散らばっていて。
はは、生きてるー？これ
そんな人たちを兄弟や仲のいい同士で介抱している。
いいねぇ
「次郎、飲みすぎですよ」
「なぁによぉ、兄貴も飲んで飲んでぇ！！」
「大包平、その辺にしておけ」
「うるさいっ！天下五剣なんて気にしてないっ！俺は池田輝政に見出だされたんだっ」
「誰もそんなことは言ってないだろう。酔いすぎだ」
_______いいねぇ
それから酔っている人は放って、正常な人たちだけで飲み食いを再開した。
「兄弟、だいじょうぶ？」
「あぁ……」
「ゃ……！じゃ……！姉者っ！」
膝丸の声で、咄嗟に我に返る。
びっくりしたねー。
「どうしたのー？」
「どうしたもなにも、聞いていたか？」
痛いところを突かれて、笑って誤魔化す。
「あははー、ごめんね、弟丸」
「膝丸だ！姉者まで兄者の真似をしないでくれ！」
膝丸はしっかりしているのに、こういうところがすごく可愛い。
「そんなに怒らないで、肘丸」
「兄者、膝丸だ……」
項垂れる膝丸に、欠片も悪気のない髭切。
懐かしい。
まるで頼光様の頃に戻ったようだ。
「で、何を話していたのー？膝丸」
「いや……、何でもない……」
何を言おうとしたのか、口をつぐむ膝丸。
こういうのは一番気になるなー。
「えー。気になるよねー、途中で止められると」
「いや、大したことではない。それにしても姉者、さっきからそんなに飲んで酔わないのか？」
私の横に散乱する、まぁ信じられないくらいの酒瓶。
今更ながら自分が飲んだ量に驚く。
あはは、呑みすぎたー……？
私は俗に言う枠だから、どれ程飲もうが酔いはしない。
だが、それでもやっぱり呑みすぎってだめだよねー。
明日は起きれるだろうか。
そんな疑問を自分に問いかけながら、残りの酒を飲み干した。
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作者名：おきな | 作成日時：2018年4月5日 15時
