5.ライバル ページ6
『好きだし…』の台詞が生んだ誤解。それは…。
「ちょっと…いい?」
Aは突如クラスメイトに話しかけられ、足を止めた。
『なに?』
「来て。」
呼び出されたので、待っててとるぅとに言い、その場を離れた。
「わたし、愛心(なこ)。あなた、るぅと君のこと好きなの?」
『へぁっ?!』
思わず顔が赤くなる。でもどこでその事を…?
愛心「図書室で照れ隠ししながら告白してたじゃない。聞いてたのよ。わたし。」
Aは返事に困った。これは誤解だ。でもそれはるぅととAしかわからない。
はて、なんと言おうと考えていたその時。
愛心「わたし、るぅと君のことが好きなの。なのに、Aちゃんが先に告白してるの聞いて、えっ。ってなって…」
Aは可愛らしい姿に弱い。気づいたら、『でも断られたよ。』みたいな事を言っていた。
愛心はほっとして、
愛心「あーよかったー。わたし、安心しちゃった。だけど…」
『けど?』
コクンと息をのみ、愛心の次の言葉を待つ。
愛心「わたしとAちゃん、ライバルだから。」
言い放った愛心。
嗚呼違うのに、思った時には遅かった。愛心は軽やかな足取りで廊下に消えた。
Aも仕方なくるぅとのもとに戻る。
る「あっ。おかえり!」
笑顔をつくり、言葉を返してからずっと考えていた。
私、るぅとにちゃんと告白できるの…?
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作者名:梦雲苺 | 作成日時:2021年2月12日 21時