3.本 ページ5
先「図書委員は__
黄井と黄池。どちらかが休んだら紅石(莉犬くんのことです)が入るぞ。」
る「ダルい仕事を押しつけられたね。」
Aはほんっとに、と呟く。
『あのジジイ許すまじ。』る「笑」
とは言え、滅多に人が来ないため、仕事は比較的楽だ。
Aがマンガ読みたいな_と思っていると、るぅとが懐から何かをだす。
それは一冊の本だった。
『えっ。何それるぅと!』
る「ふっふっふっ。いいだろぉ。」
自慢してくる彼にイラッとしたが、自分も本を取ってくることにした。
図書室にはたくさんの本がある。
『マンガないかな?』
きょろきょろと探すと学習マンガならある。仕方なくページをめくり、面白そうなのを選んでカウンターに戻った。
る「なにそれ。」
『…学習マンガ。』る「勉強嫌いのAが!?」
ちょい失礼だな。コイツ。と言うと怒られるので黙っておく。
る「あっ!そうだ!」
パァァァと効果音がつきそうな笑顔。眩しい…。
る「お互いの本を交換して読まない?僕もその学習マンガ読んでみたいし。」
渋々頷くとるぅとは本を差し出した。Aも学習マンガを差し出す。
お互いで読み始めた。わかってはいたが、るぅとの本はAにとって、とても難しい本だった。
細かい文字がびっしり並んでいて、頭が痛くなってくる。
『好きだし…』
いきなり言ったAに、るぅとは困惑を隠せない。
『って照れ隠しで言ってる〜。可愛い〜っ』
音読している!!るぅとは思った。夏なのに汗がたらりとたれる。これは冷や汗か。
ホッとしたのとガッカリしたのが半々で、なんとも言えないごちゃまぜな気持ちになった。
この『好きだし…』と言う台詞を聞いていた者がるぅとの他にもう一人いることを知らずに思ったるぅとだった__
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作者名:梦雲苺 | 作成日時:2021年2月12日 21時